年齢からみた、バレリーナになるということ

こんにちは、新宿、横浜で活動している
バレエトレーナーの猪野です

今回はバレリーナになるために

子供の年齢からみた戦略を

すこし考えたいと思います

クラシックバレエにおいて
プロになるために
年齢をどう考えるのはとても重要です

前回、 前々回と

バレエを始める年齢について書きました

例えば、アメリカだと
バレリーナとしてプロに踏み出すのは
大抵、高校を卒業する18歳から
もしくは20歳までくらいが多いです

その戦略を考える上で
18歳にプロになることを目指すと仮定します

ターンアウトをしていくにあたり
身体が耐えられるであろう8歳くらいから
バレエを始めるとして
18歳まで10年の歳月があります

まずは8歳から4年ほどをかけて
バレエに必要なターンアウト、
身体、脚、足の強さを作っていきます

8歳で始めるのが有効な理由としては
ターンアウトの訓練に耐えられる身体の成長以外に
先生の指示を理解するための
頭の成熟も重要だからです

ごく一般的に言えば
12歳より以前の子供の足の骨は
いくつもの軟骨で構成されるため
トゥシューズはリスキーです

飴細工と同じで、
一度変な形で固まれば直すことはできません
飴と違い、
また温めれば直せるわけではありませんから

なので一般的に足の骨が固まり
トウシューズを履いても大丈夫という12歳くらいで
ポアントの練習を始めます

その前にバレエの基礎が出来ていれば
ポアントへの移行はそこまで苦労しません

仮に苦労があるとすれば
そこに至るまでに
できてなかったことがあるということです
その前に先生やトレーナーと良く相談しましょう

ここから15歳くらいまでの間に
どのようにバレエを続けていくかも
決めなければなりません

コンクールで奨学金を目指すとか
留学するとか
選択肢は様々です

日本特有の事情としては
高校受験があります

もし、プロを目指すということであれば
受験のためにレッスンを休むのは
ナンセンスであることを言わなければなりません

それで高校に落ちたらどうするのか?
そんなの知りません

ダンサーは頭の悪い子にできる職業ではないので
高校に行くという選択の上で
バレリーナになりたいならば
レッスンを減らさずに高校には受かってください

14歳から18歳はバレエが一番伸びる時期です
この時期に受験程度の理由でバレエを休むのならば
バレリーナは諦めたほうがいいでしょう

そして、遅くとも
身体が成熟してくるこの時期までに
身体作りのトレーニングは始めておきましょう

コンクールや発表会に出るだけでは
体感しにくいですが
プロの公演数は1回踊ったら終わり
ではないのです。

海外でも良くあるナットクラッカーは
バレエ団によっては12月全部とか
1ヶ月に40公演とか普通にあるので
舞台に穴を空けないスタミナと強さを
プロになる前に身に付ける必要があります
さらにそれがダンサーの契約で

1シーズンで9ヶ月とか続くのです

プロになってから身体作り、では遅いです
リハーサルが忙しすぎて
そんな暇はありません

100歩譲ってできるとすれば
その土台は少なくともなければいけません

このようにして、

上で述べた年齢の節目節目で
出来るべきところが出来ていて
その上で18歳になったとき
ようやくオーディションで受かる可能性が出てきます

オーディションでは
ここで書いた事を全てやってきたような子が
100人200人とやってきて
受かるのは1人か2人です

プロになるというのは
言葉で大変というだけでは
到底伝わるものではありません

というか、プロになったら
もっと大変ですし

だって今度はさっきの200人から1人という
選ばれた人間同士での
配役争いですから

さて、ザックリ書いた割に
長くなりましたが
プロになるには相応の覚悟が必要です
そして、一生懸命頑張ればなれるもの
 
ではないです

きちんとした計画を持ち
何を頑張ればいいのかを
理解した上で
ようやく、なれるかもしれない
というのがプロの厳しさです

それでもプロになりたいのならば

私は全力で応援します

プロになりたいですか?
答えがイエスならば、

今から無駄にする時間は1秒もないですよ

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  • ABOUT

    猪野 恵司 -Keiji Ino-

    バレエトレーニングディレクター
    プロフィール詳細

    カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で機能解剖学を学ぶ。
    大学卒業と同時にサクラメントバレエ団でプロダンサーとして活躍。退団後はバレエ専門のパーソナルトレーナーとして活動している。