ダンサーに必要なのはwhyではなく常にhow

こんにちは、新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。

 

 

今回はダンサーのメンタルのお話です。

皆さんは何か新しい振りなどに挑戦して出来なかった時、どんな風に乗り越えて行きますか?

怪我をしてしまって踊れない時、何を考えて何をやろうとするのでしょうか?

 

 

どんなスポーツでもダンスでも怪我というのは一定確率であるわけですが、上に行く人間はその問題が起こった時に捉え方に、上に行けない人間とは大きな違いがあるように思います。

その違いが何かというとwhyとhowです。

怪我などのトラブルに見舞われると、ついwhy(なぜ?)を考えたくなります。

 

 

「なんで本番前に怪我をしたの!?」

「なんで私ばっかり上手くならないの?!」

「なんでみんなは私より回れるの!?」

 

 

とか、こういう類のwhyです。この手の思考に支配されるとダンサーは上達しません。なぜなら、上記の謎に答えがあったところで上達につながるものは出てこないからです。にも関わらず、ずっと「なんで!?」って考えているのです。

 

バレエの神さまでも降りてきてくれて、「それは君がバレエに向いてないからだよ」とか言ってくれれば満足するのでしょうかね?

 

 

それに対して上達するダンサーの思考回路は常にhow「どうするか?」に重点が置かれます。

 

「怪我をしてしまった。これを繰り返さないためにはどうしよう?

「最近上達を感じない、何がおかしいのだろうか?どうすれば上達するだろうか?」

「周りのダンサーより回れない。どうすれば回れるだろうか?もしくは回数よりも形を気にするべきだろうか?」

 

 

上達するダンサーの思考回路は常に現実を受け止めた上で、次はどうするべきかというところに向かいます。

 

怪我した原因を突き止めるのは大事ですが、それをいつまでも「なぜ私ばっかり」みたいには考えません。意味ないので。

 

DLSの佐藤愛さんはselfpity(自己憐憫)

って言ってましたね。whyにハマってる人は大体そんな思考回路です。

彼女は自己憐憫が大嫌いと書いていました。もちろん彼女はプロを育成しているので、バレエ学校でwhy me!?とか言われたら殴りたくなるのは当然でしょう。

 

 

ちなみに私はこの考え方に特に好きも嫌いもありません。物事の捉え方は人それぞれですから、whyでもhowでも良いと思ってます。私は趣味という人も教えますので。

 

1つだけいうとするなら、自分がwhyの思考回路ならプロは諦めた方がいいよ、ということくらいです。

さらに言うと、上達は諦めた方がいいよ、ですね。

 

 

でも趣味でバレエをしていて、自己陶酔に入っているなら、わざわざそこから引っ張り出すこともないと思うのです。何でもかんでもhowの考え方であるべきだ!なんて言ったらそれは私のただのエゴでしょう。

大事な事なので、最後にもう一度。

 

もし、プロを目指すならhowの思考回路は身につけないと厳しいです。whyでは無理です。でも自分は変えられます。上を目指したいのであれば、自分がどっちの思考回路であるのか、是非考えてみてください。

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  • ABOUT

    猪野 恵司 -Keiji Ino-

    バレエトレーニングディレクター
    プロフィール詳細

    カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で機能解剖学を学ぶ。
    大学卒業と同時にサクラメントバレエ団でプロダンサーとして活躍。退団後はバレエ専門のパーソナルトレーナーとして活動している。