本番でバランスが取れなくなりました。どうしたらいい?

こんにちは、新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。

 

 

なぜか2月は私の周りでは発表会が多く開催されていて、クライアントの方が何人も舞台に出られました。そんな中で、「ゲネで練習で出来てたバランスが取れなくなった」というお話がありました。

 

このような経験はレッスン場でのリハーサルだけでは中々見えてこない部分で、少なくとも1回か2回は舞台に立ってみない想像しにくい状況ではあります。

 

とは言っても、普段の練習を舞台でやれるわけでもないので、どうしても練習に工夫が必要になってきます。舞台の上でなんでバランスが取れなくなるのかを少し考えてみましょう。

 

1 普通に緊張してる

 

当然と言えば、当然の問題です。緊張することで身体のバランスを感じにくくなり体勢が崩れてしまうことは良くあります。メンタルトレーニングなども効果がありますが、私はその専門ではないので詳しく知りたい方は専門家に相談してみましょう。

 

ただ、良く見られるのがレッスン場におけるリハーサルを「練習」だと頭で考えながらやっている場合が非常に多いことです。つまり失敗したとしても「いいや、練習だし」となりやすく、実際に舞台に立った時に想定外のプレッシャーに負けてしまうことが見られます。全ては本番のためという危機感が薄いとも言えます。

 

これらは口で説明されても想像しにくい部分ではありますが、レッスン場でのリハーサルも本番のような緊張感を持てないと舞台の上で通用しないわけなのです。もし、緊張によってバランスを感じにくくなるのであれば、練習の方にもっと強い緊張感を持って臨みましょう。本番のつもりでリハーサルに臨んでください。少なくとも初めての舞台でなければイメージ出来るはずです。具体的なイメージの仕方は順次後述します。

 

2 気を付ける条件が増える

 

舞台は当然レッスン場との条件が変わります。単純に場所の雰囲気が違う、奥行きとか舞台幅も違う、それによって隣の人ととの距離感が掴めない、そんなことを考えていたらバランスどころではなかった、なんてこともしばしばです。特に奥行きなんかを計り間違えると舞台から落ちちゃいますしね。

 

なので舞台では存在しない自分を補助してくれるものを、リハーサルの間に出来るだけ排除しておきたいのです。筆頭は鏡です。鏡があると相手や舞台の距離感を無意識のうちに、鏡越しに計るようになってしまいます。それがなくなって舞台に立つと距離感が全然分からなくなって自分のバランスどころではなくなってしまうのです。

 

上記の本番のつもりでやるというのは、舞台での距離感、相手との距離感、雰囲気までも頭でイメージして練習するということです。しかも振りを間違えるわけにもいきません。なので頭使いますよ。ダンサーが「馬鹿には出来ない」と言われるのはこういう頭の使い方をしながら練習出来るか、ということも問われるからなのです。でも本番の為のリハーサルとしてはこのくらいでないと使い物になりません。

 

3 視覚に頼りすぎ

前にブログで書いた通り鏡が視覚補助の第一で邪魔でもあるのですが、それがないことを想定して練習していたとしても厄介なのがライトです。舞台用ですから、すごく眩しいのです。直視なんかしたら何も見えなくなるほどです。バランスの瞬間なんかに舞台のサイドからのライトが目に入ってしまって立てなくなった、というのは良くあるお話です。

 

ライトで目の前が見えなくなるというのは、目をつむってバランスを取るようなものなので当然難しいです。でも逆に言えば、目をつむってバランスが取れるようになればライトにも負けにくいバランスが獲得出来るわけです。

 

なので、たまにはバランスの練習の時に目をつむってみましょう。視覚以外でバランスを感じる能力を鍛えていけば、ブレにくいバランス感覚が身についていくはずです。もし、目をつむってバランスが取れなくなったら、これが本番でライトが目に入った瞬間なのだと大いに恐怖してください。その危機感がリハーサルでの緊張感を上げてくれます。

 

本番を想定した練習というのは、自分の実力を出し切るために必要なことです。練習で出来ても、本番で出来なかったら、それは「出来てない」のカテゴリーに入れらてしまうのです。それって悔しいじゃないですか。

 

そんな悔しい想いをなくすためには、本番と出来るだけ同じ緊張感、条件で練習しないといけないのです。だって、全てのレッスンは舞台で踊るためにあるのですから。

 

これから舞台がある人もたくさんいると思いますが、本番でバランスが不安な場合には今回挙げたようなことを気にして練習してみください。グッドラック。

 

 

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  • ABOUT

    猪野 恵司 -Keiji Ino-

    バレエトレーニングディレクター
    プロフィール詳細

    カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で機能解剖学を学ぶ。
    大学卒業と同時にサクラメントバレエ団でプロダンサーとして活躍。退団後はバレエ専門のパーソナルトレーナーとして活動している。