お腹と背中の筋膜の繋がり

こんにちは、新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。

 

体幹を鍛えるのが大事とはよく言いますよね。でも意外と「体幹て何?」って聞くと答えられない人が多いように思います。

 

最近は体幹という言葉が流行ってきたせいか、身体パフォーマンスにおいて上手くいかない原因が良くわからないような時は、とりあえず「体幹が弱いからできないのよ」とか言っておくと如何にもそれっぽく聞こえる便利な言葉ではあります。

 

バレエでよく話題になる引き上げにはお腹も背中も必要です

 

さて、体幹トレーニングというと腹筋運動を思い浮かべる方が多いと思いますが、それだけではないということを筋膜というよりも視点から見ていきたいと思います。

お腹の断面図を見てみる

 

この写真は腹筋を上からみた断面図です。腹筋で実はこんな位置関係で付いているわけなんですが、腹筋の間というのは筋膜で繋がっているのです。

この筋膜が真ん中に集まるように付いているため、一般的な6パックを作る腹筋では他の3つの腹筋がストレッチされてしまい、引き上げには効果が出にくいと言われています。

 

背中の断面図を見てみる

 

こちらの写真は背中からみた断面図です。

背中の筋肉も筋膜で繋がっていて、それぞれが相互作用で働いています。

 

腹筋、背筋とトレーニングやダンスでは分けて考えられることが多いですが、よく見てみると腹筋の方から筋膜が繋がってきます

この3つはお腹の筋肉です。これはこれで前に繋がっているので、筋膜の流れとしてみてみると、腹筋と背筋には切れ目もなく繋がっているのです

 

体幹を上手く使いたいとか、強くしたいと考えるのであれば腹筋だけでも、背筋だけでも足りなくて両方を鍛えていく必要があります。

 

腹筋として有名なクランチがバレエにはあまり効果を期待できないのは、ブログに何度も書いた通りです。

 

背中を柔らかくする目的でも使われる、よくある上体反らしも角度によっては背筋を鍛える運動としては効率が悪いことがあります。反れる人間ほどに出来るのです。なので垂直まで行けてしまえる場合、筋肉は上で休んでしまっているのです。

 

お腹と一口に言っても深さは4層ありますし、背中も7層に分けられます。一言で体幹を鍛えると言っても考えだすと色々と複雑なわけです。

 

体幹トレーニングで鍛えてみたものの、今一つ効果が感じられない場合は、実際の所どこか得意な一部分だけを鍛えてばかりで、体幹全体の強さのバランスが悪くなっていないかチェックしてみてはいかがでしょうか?

 

引き上げにはお腹も背中も必要です。

 

 

 

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  • ABOUT

    猪野 恵司 -Keiji Ino-

    バレエトレーニングディレクター
    プロフィール詳細

    カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で機能解剖学を学ぶ。
    大学卒業と同時にサクラメントバレエ団でプロダンサーとして活躍。退団後はバレエ専門のパーソナルトレーナーとして活動している。