つま先を伸ばすことと、高く飛ぶことは別問題

こんにちは、新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。

バレエには他のスポーツにはない特徴が色々とある踊りですが、その一つにジャンプの飛び方があります。

当然スポーツよりも芸術性が重視されるので、高く飛んだ人が一等賞ということにはならず、その見た目などもとても大事なわけです。そこにつま先を伸ばすという使い方が出てきます。

たまに勘違いされる方がいて、バレエにおいてつま先が伸びないからジャンプが飛べないと、つま先を頑張って伸ばそうとしているケースがあります。もちろん、つま先を伸ばさないとバレエでは美しくならないわけですが、ジャンプの高さというと話は全然別になります。むしろ邪魔？にさえ思えます。

ジャンプが高くなるためには、脚の力、お尻の力、体幹の力がそれぞれバランス良くかつ非常に速いスピードで使われる必要があります。つま先、ふくらはぎはルルベでわかる通り強い力を出しますが、使える幅が狭いので身体を宙に浮かせるような勢いを作れません。

もし、仮につま先を伸ばすことでジャンプが高くなるならば、バレエの世界よりも明らかに研究が進んでいるジャンプが重要なバレーボールとかバスケットボールの業界がつま先を伸ばす飛び方を推奨しそうなものなのに、そんな話聞いたことがありません。あります？

つま先というのは構造上、フレックスの形の時が一番強く、ポアントの時が一番弱いのです。だから、他のスポーツでつま先を伸ばしてジャンプすると捻挫のリスクを上げるだけなので、おそらくそんな指導は入らないと思います。

さて、つま先を伸ばすというのはバレエにおいて美しく飛ぶにはとても大事です。でも高さが欲しいなら、鍛えるべき場所は他にあります。踊りにおいて高さと美しさを両立させることが目標とはなりますが、自分が何を目的に練習しているのか、ジャンプなら高さの練習なのか、美しさの練習なのか、それらを両立させる練習なのか、その辺りをはっきりさせてレッスンやトレーニングに臨んでくださいね。

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