あばら骨が開くのは脳の働きのせい!?

こんにちは、新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。

 

よく聞く先生に肋の開きを注意されるという問題。腹筋をしてもレッスンで気をつけても、どうしても直らないなんてありませんか?今回はクライアントさんのビフォーアフターの写真を交えての解説です。

まずこちらの方に自分の思う真っ直ぐな姿勢から引き上げをしてみてくださいと言ってやっていただきました。

この写真ですと、やはりどうしても肋が開いていくのような感じに立っています。ここからエクササイズをして立ってもらったのがこちらです。

どんなエクササイズかは今回はおいておいて、肋の位置が少し良くなりました。さて、ここからが本題です。

この時にこちらの方に聞いてみた感想が、「猫背に感じる」でした。真っ直ぐに立つという事がとりあえず改善している中、本人が感じる事が猫背という事なのです。

 

ここにレッスン中に真っ直ぐ立つ事の難しさがあります。先生に注意されて直してもその感じ方が「出来た!」ではなく「猫背に感じる」だと、真っ直ぐ立つ事や引き上げを指導され続けて来た生徒にとって違和感しかないわけです。

 

なぜこんな違和感が出るかといえば、脳が胸を反らせて立つような姿勢を「真っ直ぐ」と認識しているからです。それゆえ、脳にとって「実際の真っ直ぐ」は猫背に感じる位置なわけです。ここに先生が見ている景色と生徒が感じている身体の位置に大きなギャップがあります。それが分かってくるとレッスンの中で「真っ直ぐに立って」とか「肋が出てる」という言葉だけだと生徒自身で答えを見つけるのは難しいということが見えてきます。

 

 

実際の所の問題は脳が身体の位置を勘違いしている事なので、以前に鏡に頼り過ぎないことを書きましたがこういう時こそ鏡での確認が効果的だと思います。仮に生徒が姿勢に違和感を感じていても鏡で確認させて間違っていないと再認識してもらうわけです。

 

立ち方の癖というのはバレエ年数が経つほどに癖になり修正が大変になるので、如何に初期の段階で教えていくかが鍵になると思います。今回のトレーニングでの最後はアンオーでとりあえずここまでにはなりました。骨盤のくの字も少し改善しましたね。

立ち方は基本になりますがその地味さ故に修正が意外と大変です。生徒さんの方も気になる場合はきちんと鏡で先生と一緒に確認してみてください。これを振りや音楽に注意を払わなくてはいけないレッスンで意識するにはとても大変です。バーから修正してみて、上手くいかないのであれば、前回の記事のように普段の生活から気を付けることをやってみてください。

 

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    猪野 恵司 -Keiji Ino-

    バレエトレーニングディレクター
    プロフィール詳細

    カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で機能解剖学を学ぶ。
    大学卒業と同時にサクラメントバレエ団でプロダンサーとして活躍。退団後はバレエ専門のパーソナルトレーナーとして活動している。