筋膜の流れからみるポールドブラ

 

こんにちは、新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。

 

踊りで腕の動きはとても重要ですが、上手く動かせないとお悩みの方も多いと思います。今回は筋膜の流れからみた腕を考えてみたいと思います。

 

皆さんは筋膜という言葉を聞いたことがありますか?解剖学の本で筋肉を見るとそれぞれ個別に筋肉の説明が書かれていますが、それらがバラバラに動いても狙った動きが出来ないので、筋肉のまとめ役としてストッキングのように筋肉を覆っているのが筋膜です。

 

さらに、そのストッキング(筋膜)の覆い方には経路があってそれぞれの筋肉に動きの流れを作っています。ちなみにその流れは11個あります。

 

今回はポールドブラに関係する筋膜です。Superficial back arm line といいます。

上から僧帽筋→三角筋→その間にあるスジのようなつながり(外側上腕筋間中隔)→手の伸筋群、というような流れでついています。このように見ていくと普段の生活ですごく使って固くなっていそうな印象を受けます。

 

例えば、パソコンや勉強中は使うという感覚こそないものの、ここのラインをずっとホールドしておかないといけないのですごく固まってしまう感じがします。その状態でポールドブラなどを行うと非常に力が入りやすい状態なので、肩が上がるなどの不具合が出てくるわけです。

 

他のスポーツではラケットなどのバックスイングでよく使われますが、バレエではあまり見ない動きですね。見方を変えるとラケットスポーツでは固まっていたとしても、素振りでもしている間にほぐれてきたりすることもあるわけですが、バレエではあまり期待できません。

 

肩が上がってしまう時、当然そこを注目するのは大切ですが原因がそこにあるかというと無い場合が多いです(ある時もあります)。じゃあ、どこを見ればいいのかというので筋膜の流れを使うわけです。そのように見ていくと実は肩こりでポールドブラが綺麗にならない時、僧帽筋をいくらほぐしても良くならないような時などはこのラインに沿って他の部位に注目してみましょう。

 

パソコンなどを一日仕事で使っているような方は手の伸筋群も固いです。肩一緒にほぐすと効果がかなり変わります。

 

人間の身体は流れです。個別の解剖学だけを学んでもダンスに活きなかったりするのはここに大きな原因の一つがあります。ポールドブラや肩こりお悩みの方は、固いところばかりほぐしていないで上の写真のラインを全部やってみたら、意外と楽になるかもしれませんよ?

 

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  • ABOUT

    猪野 恵司 -Keiji Ino-

    バレエトレーニングディレクター
    プロフィール詳細

    カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で機能解剖学を学ぶ。
    大学卒業と同時にサクラメントバレエ団でプロダンサーとして活躍。退団後はバレエ専門のパーソナルトレーナーとして活動している。