ネットの情報で疑心暗鬼になる前に、自分の立場をハッキリさせる

こんにちは、新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。

 

バレエのテクニックからトレーニング法までネットには様々な情報が溢れていますが、たくさんの情報を学べば学ぶほど矛盾するような表現や方法も多く何を信じていいのか分からなくなってしまいます。

 

私としてはそのような情報に振り回されるのは、自分の立場をしっかりと把握していないからだと思うのです。

 

例えば、ケガをしたダンサーが復帰に向けて関わっていく指導者を順番に見ていくと、

医者⇒理学療法士⇒アスレティックトレーナー⇒パーソナルトレーナー⇒バレエ教師

というような順番を通ると復帰がしやすくなります。もちろん隣り合っているカテゴリーの人たちは出来る分野がオーバーラップしているので、実際に関わる人間は少なくなる場合もあります。

 

これらの専門家は出来る範囲がある程度オーバーラップしていると言いましたが、それでも別々のスペシャリストです。なので、勉強する分野が大分変ってきます。

 

医者は医学、理学療法士は理学療法(リハビリ)、アスレティックトレーナーはリハビリから運動への橋渡し、パーソナルトレーナーはさらなる筋力の強化法など、バレエ教師はバレエ教授法。というように勉強する分野がまるで違うのです。

 

もし、バレエ教師の方で自分の生徒をもっと良くしたいと思っていてバレエ教授法をしっかり学んでいないのであれば、まず教授法を学ぶべきだと思います。解剖学や体の使い方などをまず勉強するのはトレーナーであって教師ではありません。

 

レッスンの前にエクササイズクラスなどを作りたいと考えたりして、プラスアルファとして学ぶというのは素晴らしいですが、あくまでもプラスアルファの話です。

 

ネットにおける情報に振り回されるのは自分の立場をしっかりと認識していないから起こることだと私は考えています。教授法をしっかり学べばネットの情報の何が正しくて、何が間違っているのかは判断できるはずです、例え解剖学などがわからなくても。ネット情報の正否がわからないのであれば、申し訳ないですが自分の立場における主軸が勉強不足と言わざるを得ません。

 

なので、そもそも教師がバレエの指導に迷ったりしてそれを医療従事者やトレーナーから学ぼうとするのは最初の筋道としておかしいのです。生徒の身体に痛みなどがある場合に専門家に送るというの当然ですが、彼らから指導の答えを探そうとしても多分出てこないと思います。役立つ情報はそれなりにあるとは思いますが。

 

あと子供の為に情報を集める親御さんも、自分の子供が今誰が必要なのか考えてから情報を集めることをお勧めします。何よりまずは一番近くにいるであろう先生に聞いてみるのが最初だと思います。

 

どういう経緯であれ、月謝などを払いバレエ指導をプロに依頼したわけですからまずは先生を信じて任せてみてはいかがでしょうか。それでも、何かがおかしいと感じたら別の教室を探すということも選択肢にいれてみればいいのではないでしょうか。他の都市はわからないのですが、東京であれば1駅に3つくらい教室もありますし。前に教室選びのポイントを書いたので参考にしていただければ幸いです。

バレエトレーナーが考える良いバレエ教室選びのポイント

 

ネットには情報が氾濫する時代になりました。振り回されないために、自分は誰なのか?何をすべき人間なのか?それをはっきりさせてから、勉強を始められるのをお勧めします。

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  • ABOUT

    猪野 恵司 -Keiji Ino-

    バレエトレーニングディレクター
    プロフィール詳細

    カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で機能解剖学を学ぶ。
    大学卒業と同時にサクラメントバレエ団でプロダンサーとして活躍。退団後はバレエ専門のパーソナルトレーナーとして活動している。