こんにちは、新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。
みなさんは、楽しくバレエを踊っていますか?楽しく踊っているのなら何よりです。
皆さんは恐らくレッスンに行って踊りを上達させたくて頑張っているのではないかと思います。では、踊りを上達させるにはどのくらいのレッスンをすればいいのか、知っていますか?
自分はどのくらいの量をレッスンしたら、一番上手くなると思いますか?自分で把握してますか?
出来るだけ多くレッスンを受けた方が上手くなると思いますか?
つまり、人間が出来る最大の努力の量は飲まず食わずで24時間レッスンを受け続けると一番上手くなるのでしょうか?
なんだか違和感がありませんか。これをやりすぎだと思うのは私だけではないかと思います。
日本には「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という言葉があるにもかかわらず、バレエ、もしくは他のスポーツなどになると練習のやりすぎを根性という単語1つで乗り切ろうとする傾向があります。
やりすぎたら、やってないにも及ばなくなるという警告を、「根性!」と叫んで聞かないようにしていたりするのです。
そこで今回は上達するためにはどうやってレッスンを受けていけばいいかに焦点を当ててお話したいと思います。
人間の回復能力は無限じゃない
人間の疲労回復能力には限界があります。レッスンをすごく頑張った次の日は筋肉痛になったりしていませんか?仮に回復能力に限界がなければ、次の日にも筋肉痛は絶対に起こらないわけです。
完璧でない人間の疲労の回復能力をもってすると、疲労蓄積はこんなイメージです。↓
満タン100ポイント の体力があったとして、練習を頑張って20ポイントの体力を使いました。残りは 80ポイントです。寝たら回復して 90ポイントになりました。
次の日も頑張っって90ポイントの体力から20ポイントを使って、残りは 70ポイントになりました。 寝たら回復して80ポイントになりました。
こんな風にしてだんだんと疲れていくわけですが、このままだとそのうち体力が0ポイントになって死んでしまいます。
では、どうするのか?答えは簡単、レッスンで手を抜けばいいのです。手を抜くということを身体が自動で行います。意思とは関係なく、です。元気な時は20ポイントも体力を使っていましたが、このままでは無理なので体力を10ポイントしか使わないようにすればいいのです。つまりはこの辺りで集中力の低下が起きてレッスンでの質が落ちるわけです。
そこで生徒のお尻を引っ叩いて20ポイントの体力を使わせようとするのが、「根性」という言葉ですが、実質頑張るのは無理です。なぜなら身体が死なないようにするための防御反応なので、疲労が原因で集中できないのであれば、休むしかありません。
上達とは常に練習の質と量の掛け算です。2レッスンを無理やり受けて集中できないのであれば、1レッスンを頑張った方が上達が見えることは良くあります。しかも2レッスン受けることで休む時間も減っているわけです。量を増やすことばかり考えるのは、かなり合理性に欠ける練習法だといえるでしょう。
レッスン場に出席するだけではバレエは上手くなりません。
週7回レッスンに行けば上手くなるというのは、幻想です。いや、上手くはなるかもしれませんが効率が物凄く悪いです。怪我のリスクも上がるし、とにかく身体がつらいです。
せいぜい週5回くらいがバレエが上手くなる為のレッスン量の適正ではないかと私は考えています。
バレエ根性は詩にもなっている
ちなみにこんな詩があるのですが知ってますか?かっこの中と4日目は私の創作です。
私がかっこの中でこの詩に突っ込みをいれないと、如何にも一日休んだだけで下手になるような印象を押し付けてくる詩だと思いませんか?
1日休んだら下手になるなんて、科学的根拠はありません(科学的検証も難しい)。
そもそも、下手になるってどういう事でしょう?
でも、
私からするとかなり洗脳に近いですが、なんでそんな事を生徒が思い込むかと言えば、
Dancer’s Life Support でも言っていましたが、楽しくてバレエをやっているのだとしたら、
私のクライアントさんでも週7回でレッスンに行っていて、
摂食障害に例えると、
1回試しに1日休んでからレッスン行ってみると、
流石に週1, 2日のレッスンでは上手くならないですが、ワガノワバレエ学校でも週
私のいたスタジオでのレッスン数
私のいたスタジオはプロ志望の子は週に8回のレッスンを受ける事
一見週7回を超えていそうに見えますが、そうでもなくて、週に1
え!?それでプロになれるの!?と思うかもしれません。
毎年必ずプロを2、3人出すって、
何だかんだ言って本来はプロの門を叩く年齢からバレエを始めた私
ちなみにアメリカンバレエシアターのミスティ=コープランドやボス
このようなスタジオ出身の私に言わせると、厳しい言い方になるかもしれませんが、
理由は上記の通り、量を増やすとある地点を境に質が落ちてきて、
効果が同じなら身体がつらくない方が勉強とかの、
一息つけるとか、友達とお話出来るとか、そういうのも10代の子
大人のバレエでも基本は同じです。回復力が子供に劣るので量と質をしっかりと考えてレッスンを受けるようにすると上達は最大になると思います。
ちなみにバレエスタジオだとレッスンを受けすぎる生徒の裏で、全然レッスンが足りない子も存在します。どうすればいいかと、聞かれることがあるのですが、私的にはそういうタイプは最低限を教えるだけでいいのではないかと思います。月謝をもらう以上はその分を提供するのが責任ですが、教える側としては頑張る生徒を怪我なく、上達させたいし、プロを目指すのであれば努力が出来る子でないと無理です。それに努力してきた子だけを集めてオーディションをして倍率が200倍なんてザラなので、頑張れない子を無理して教える必要ないと思います。特にプロフェッショナルスクールであれば。
なので、言ったことをやらない生徒は放置です。トレーニングに来てもらっても「出来ることがない」って言っちゃいます。海外のスクールなんてそれが普通ですよ?
ただ、バレエが趣味であってもプロを目指していても大人でも子供でも、本気で上手くなりたいと思うのであれば、私も全力で応えます。
上達は質と量の掛け算です。質が落ちたら、量を増やした意味がない。それは覚えておいてくださいね。
5月はセルフリリースクラスを開催します。
前回とても好評で、身体が軽くなった!効果が長続きする!などの感想を頂きました。
つまり、レッスンの質を上げる為に必要な身体調整の1つです!
前回は盛沢山すぎて時間が無くなってしまったので、今回は拡大版です!
身体のリリースのワークショップを5月20日(日)
13時から150分で新宿スタジオで行います。
定員は4名限定で料金は6000円です。
お申込みはお問い合わせか直接ご連絡ください!お早めにどうぞ!