こんにちは、新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。

アメリカ、ヒューストンバレエでトレーナーをされている川崎章広さんのワークショップに参加してきました。

バレエの世界では科学的なトレーニングを使っての身体作りというのは他のスポーツに比べるとまだまだ浸透しているたは言い難い状況です。

しかし、川崎さんが関わるヒューストンバレエでは彼のエクササイズや栄養士、医師などのチームをバレエ団と関わらせることによってそれまで年間140件以上あった怪我の件数を去年に86件まで減らすことに成功したそうです。

その実績を認められ、また3年間契約延長でヒューストンバレエのトレーナーを続けていく、というところに川崎さんはいらっしゃるわけです。

バレエ団ですからどうしても芸術優先になります。ただ数字として実績を出した事でバレエ教師などにも前より話を聞いてもらえるようになった、というのがとても印象的でした。

今回紹介してもらったケアなどの方法はアナトミートレインという筋膜の流れを使ったもので、それをパッケージ化してルーティンにしているものでした。

つまり、一度ダンサーに伝えてしまえば新たに問題が発生しない限り放っておく事も可能で、言い換えればエクササイズなども絡めてく時間を節約出来るという非常に使い勝手の良いものです。

そのルーテインを惜しげも無く公開されていて、これを真似するだけでヒューストンバレエで使われるケア方法を取り入れることが出来ます。バレエ教師にとっても得るものが大きかったのではないでしょうか。

でもこういうものって始めはバレエダンサーとかに見向きもされない事も多かったのではないかと思います。お話では8年掛かったということでした。

実際のところ踊れればそれでいいと思うダンサーも多いですし、先日の書いたマリンスキーバレエの元プリンシパルのジョセフ・フィリップス氏も怪我をするまでエクササイズ無しだった訳ですから、そのくらいの時間がまだ必要なのかもしれません。

やはり客観的な実績を数字で残すことの重要性を改めて認識しました。

どんなにバレエ以外のトレーニングに懐疑的な人でも、怪我が半分になる証拠を見せられたら無下にすることは出来ないはずです。

そんな可能性を感じたワークショップでした。

ありがとうございました。

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