こんにちは、新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。

バレエ教師はバレエの専門家ですので

バレエの動きを教えるのが仕事です。

このバレエの動きを教えるにあたっては

バレエ教授法などにおける動きの定義などをきちんと知ったうえで

教える必要があります。

例えば2番ポジションはどのくらいの広さで脚を開けばいいのか

などを知っておかないといけないわけです。

でもこれってバレエを知っていれば良いだけ話なので

解剖学などは必要ありません。

伝統的な順番に沿ってレッスンを進めていけば

上達するようになっているのがバレエレッスンです。

トレーニングを教える時にはこうはいきません。

自由に出来る反面、解剖学やトレーニングの順番や環境などを

自分で考える必要があります。

バレエに生かすためのトレーニングを例にとれば

一見バレエとは無関係に思えるような動きをしているのに

実はバレエの動きを助けるような筋肉や関節の使い方を学ぶため

結果として踊りが効率よくなるわけです。

でもこれを教える為には解剖学の知識や

トレーニングをデザインする力が必要です。

プリエなどの動きを分析し、

それをもっと違う形や簡単な形で鍛えてもらい

上達の手助けをします。

というものなので、解剖学をあまり勉強していないバレエ教師は

トレーニングを教えないほうが無難です。

それっぽく見えるだけのトレーニングで結局は

効果が出ていないことも多いからです。

先日ある大手のダンススタジオに体験レッスンに行ってきました。

周りがどんなレッスンをしているのか勉強をかねての体験です。

そこではバレエ教師がなんちゃってトレーニングを

レッスンの前に行うのですが

これがひどかったのです。

冬のスタジオで暖房もまだ効き始めてない所に

ヨガマットなども敷かずに、「はい、まずはストレッチからー」

っていや、寒いのですよ。

やりたいのはウォームアップのはずなのに

床が冷たいせいで、身体がどんどん冷えていきます。

ウォームアップなのに寝てストレッチというのも問題ですが

床が冷たすぎてそれどころではありません。

その後「はい、腹筋ー」

と、どんな腹筋かも説明されないまま

冷たく動かしにくい体幹を使って

トレーナーにも理解できないトレーニングを数種類行いました。

ハッキリ言って時間の無駄でした。

これなら何の準備もなしに「はいプリエー」

というほうがまだ身体は動いたと思います。

ウォームアップから始めたい気持ちは分かるのですが

なんの勉強もしていない上に床の温度管理すら出来ないバレエ教師が

トレーニングを教えるのは時間の無駄です。

バレエ教師はバレエを教えていればいいのです。

トレーニングを教えたいのであれば

その勉強はして欲しいものです。

結構大変ですよ。

まぁ、それを知らないから舐めているのでしょうが。

優秀な教師は勉強もせずにトレーニングを教えません。

勉強とはYouTubeとかの動画を何個か見た、というのは含みません。

トレーニングが早急に必要な場合は専門家に依頼するか、

時間があるならきちんと自分で勉強をしてから教えます。

バレエ教師には解剖学はあくまでもオプションです。

まずはしっかりバレエ教授法などを学んで頂きたいです。

生徒のみなさんも気を付けてください。

トレーニングを中途半端な知識で教えようとするバレエ教師は

バレエの知識もまた中途半端です。

変な教師に捕まらないようご注意ください。

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