バレエ大好き党で衆議院選挙に立候補します。

 

新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。

 

この度、衆議院選挙にバレエ大好き党という政治団体を作って

立候補することにしました。

 

私には夢があります。

ダンサーが本来の仕事である「踊る」をするだけで

生活を送れるようにする

という夢です。

 

突拍子もないように思えるかもしれませんが

本気です。

 

名前から想像がつくかもしれませんが、

バレエダンサーの社会的地位向上を目指して

国や自治体からサポートする仕組みだったり

お金を回すことが出来るようにすることを目指します。

 

 

 

私は自分が怪我をしたという過去の経験から

自分と同じ思いをして欲しくないという想いから

このバレエの為のトレーニングという仕事を始めました。

 

そして、ダンサーの質を上げ、ケガを減らし

誰もが健康にプロダンサーを目指せるというのを目標に

この仕事を続けてきました。

 

そして、その自分が掲げたミッションにおいて

仮に、誰も怪我無く健康にダンサーを目指せる理想を実現できたとして

それをすることで

多くの人間をケガでダンスを諦める以上の不幸を生み出す可能性に

気が付いてしまいました。

 

 

仮にこの日本に100個のプロダンサーが座れる椅子があるとします。

今までのプロダンスの世界では毎年10人が引退するので、

その年の30人のプロ候補生が新しくオーディションを受けて

その椅子の獲得を目指していました。

 

この世界では新しい10人がプロダンサーとしてのキャリアを獲得し

落選してしまった20人は残念ながら涙をのむことになりました。

 

 

そんな中私が掲げた理想が実現し、誰も怪我をすることなく

ダンサーが目指せるようになりました。

 

プロダンサーの世界にかつてと同じ100個の椅子があります。

プロダンサーも怪我をしなくなったので毎年の引退するダンサーは3人だけです。

プロ候補生も怪我をしなくなったので

プロのオーディションに挑む生徒たちは100人に増えました。

 

理想が実現したこの世界では

新しく3人がプロダンサーとしてのキャリアを獲得し

97人が残念ながら、涙をのむことになりました。

 

おい!

理想を実現したら落選者が輪をかけて増えとるやないかい!

 

 

これが今私がダンス界の質をあげることで直面する現実だと思っています。

 

現在、日本のバレエ界は解剖学とか教授法とか

指導の質を高める方向性に動いています。

 

極端な話、もし、ダンサーの質を上げることが出来る人間が私だけだったら

怪我をしないダンサーを送り込んで、今までのダンサーをごぼう抜きにして

それで話はおしまいなのですが、今は業界全体がそんな方向に動いています。

 

 

指導法の改善については私個人も大いに賛同しています。

怪我が減ったり、生徒さんが効率良く上手くなることに

何の反対意見もありません。

 

問題は、それを受け止めるキャパシティがこのバレエ界にない、

ということなんです。

 

このままいくと、日本のバレエの質は確かに上がるでしょう。

でも、それにも増してダンサーになれなかった生徒が

とにかく増えてしまうのです。

 

例えば16歳で怪我をしてしまいバレエの道を諦め大学に進んだ子がいたとします。

その一方で怪我なく踊り続けて20歳になり、大学にいかずプロにもなれなかった子も存在します。

 

この二人を比べると20歳大学在学中と20歳高卒職歴なしという履歴書になるのです。

 

今のままでは、とにかく後者の人間が増えるだけなんです。

だから私は日本の芸術に対するシステムを改善することで

ダンスに関わりながら不幸になってしまう人間を減らしたいのです。

 

「こんなこと言って子供の夢を奪わないで」という方もいるでしょう。

私はダンサーを目指すなと言っているわけではないのです。

なれなかった時にこんな可能性が待っていることを分かったうえで

ダンサーを目指しなさいと言っているだけです。

寧ろ私は、夢という言葉を使って現実に蓋をするべきではない、と言いたいです。

 

こんな現実が本当に起こるのか、疑問に思う人もいるでしょう。

でも起こりました。スポーツ界では起こったんです。

後進育成に力をいれた結果、そのスポーツの全体の質は確かに上がったのに

1位になれない、代表になれない、という日の目を見れない人間が

凄く増えたんです。

これが分かっていながら同じ轍を踏むのは、私は避けたいです。

 

これが今私が立候補を表明した理由その1です。

バレエ界のキャパシティを増やして、ダンサーになれる機会を増やす

 

もう一つの理由はまた次回にお話します。

衆議院選挙に立候補する理由、その2

 

こんなことを言いつつ

まだトレーニング指導は続けております。

こんな話を聞いてそれでもダンサーになりたい、

突き進む覚悟がある方は

敬意をもって全力でサポートします。

 

 

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  • ABOUT

    猪野 恵司 -Keiji Ino-

    バレエトレーニングディレクター
    プロフィール詳細

    カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で機能解剖学を学ぶ。
    大学卒業と同時にサクラメントバレエ団でプロダンサーとして活躍。退団後はバレエ専門のパーソナルトレーナーとして活動している。