バレエ大好き党を立ち上げました、

バレエトレーニングディレクターの猪野です。

 

前回に続き、なぜ衆議院選挙に立候補するつもりなのか

その理由の二つ目です。

その1はこちら↓

バレエ大好き党で衆議院選挙に立候補します。

 

前回は、現状のバレエ界ではケガをせずに質の高いダンサーが増えると

救われない脱落者がものすごく増える、というものでした。

 

理由その２はダンサーの収入が少なすぎる為それを何とかしたい。

というものです。

 

 

芸術家の薬箱というNPOの調査によると

日本のバレエダンサーの５１％が年収100万円以下というデータがあります。

 

オーディションで倍率200倍くらいの難関を突破し、

その上で半分以上のプロダンサーが生活保護以下の収入水準です。

 

最低限度の文化的な生活を下回りながら

芸術というバレエを突き詰めていくのは無理があります。

 

お金がない以上は稼がないといけない為、

居酒屋で深夜に入ったり

バレエ教室で教えたり、が

かなり一般的なプロダンサーのアルバイトです。

 

当然体調が悪くても生きていく為に休むことも出来ず、

キャリアアップや引退後に困らない為のスキル獲得など

勉強をする時間も限られてしまいます。

 

その上、ダンサーの自己負担は

身体のメンテナンス

ポアント代金

チケットノルマの買取

バレエ団に払う団費

 

もっとあります。もう様々です。

これで、年収100万円以下では人としての生活は無理があります。

 

現実問題として、こんな状態なのです。

 

そして、さらに私が危惧していることがあります。

理由その１とその２のコラボレーションです。

 

バレエダンサーの経済状況はこんな感じなので

お金の為、という理由でダンサーをやっている人は少ないのです。

 

それ故にお金に対してほとんど知識がなく

無頓着とも言えるため、

「自分が踊っているのはお金の為じゃない」と

いう人が多いです。

 

実際に内閣府の調査によると

ほぼ半数の洋舞を職業とする人間が

「あなたはなぜ働くのですか？」という質問に

「自分の才能や能力を発揮するため」と答えています。

これは他の業界から比べても圧倒的に高い数値です。

 

自分の才能や能力が発揮できなかったからお金がないのだろうが

と思う人もいるかもしれませんが

その都合よく発揮できる場所を作るというのも

私がやっていきたいことの一つです。

 

 

さて、こんな状況で、お金の為じゃない、といった所で

世の中には市場原理というものがあり

それはバレエ界に対しても残酷に働きます。

 

 

脱落者を多く生むということは

逆に言えば、代わりがいくらでも調達できるということです。

 

 

もし、ダンサーが有り余っている状況で

「お金は出さないけど、プロの舞台が踏めるよ」

と言われたら、乗ってしまうダンサーが出るとは思いませんか？

 

つまり、ただでさえ低い出演料がさらに買いたたかれる状態になるのです。

 

これはアニメの世界で起こりました。

アニメが数多く制作されるようになり、

アニメーターが増えたのですが、

それが増えすぎたために

ものすごい低賃金で買いたたかれるようになってしまったのです。

 

これが怪我をしないダンサーを増やし、

バレエ界のキャパシティや金回りを改善せずに行くと

バレエ界でも起こる可能性が高いと私は考えています。

 

そこで私はもう少し舞台芸術に対する補助金、助成金などを改善し

せめて踊りだけで食べていける世界を目指します。

 

ハッキリ言ってしまえば、これでも興行的に成功した

サッカーや野球などに比べれば

経済的な夢も何もないのですが、

それでも20歳を超えて親の脛をかじらなくていい状態にしたいと考えています。

 

正直この状況は国がテコ入れしないと

扱っているのが芸術ということもあって

バレエ団の自助努力では無理だと思います。

 

というか無理だったから、

この現状があると思っています。

 

このバレエ界をもう少しマシな世界にする為に

皆さんの応援をよろしくお願いします。

 

 

 

これからプロを目指す人は

現状をきちんと知ったうえで

自分の人生が詰まない道を別で作りつつ

死なないように頑張ってください。

 

 

 

 

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