こんにちは、新宿、横浜で活動している
バレエトレーニングディレクターの猪野です
先日、ある生徒さんに
先生に痩せろと言われた
と聞かされました。
なんで？と聞き返すと
先生がYAGPを見に行ったら、
みんな細かったから痩せなさい、だそうです。
多分、私はその話を聞きながら
苦虫を噛み潰したような顔をしていたと思います
正直、先生たるもの、
もう少し自分の発言に責任を持ってもらいたいものです
痩せろの根拠が、
「見に行ったらみんな細かったから」
と、あまりにもフワフワしてるので
（その場にいたならせめて審査員の
体重に関する考え方くらい聞いて来てほしいものです）
今回の記事はローザンヌ国際バレエコンクールの
ダンサーの体重に関するデータを紹介します
こちらです
（PDFでダウンロードされます）
ローザンヌ国際バレエコンクールは
ダンサーの体重や健康状態を審査にいれる
かなり良心的なコンクールの１つです
そこにダンサーの体重に関する考えがあるので紹介します
原文は英語なので、
お時間がある方は読んでみてください。
死ぬ程めんどくさい方のために一言で要約すると
体重が低すぎると良いことないよ
ということが書かれています
中でも将来ローザンヌを目指す人が
知っておくべきことの１つは
彼らの考える最低体重の考え方です
そこを下回ると、
書類選考でかなり不利になります
さて、ここから少し頭を使います
ぼーっとしてると理解しにくいかもしれませんよ
体重における指標として
BMIという体重を身長で2回割る
という非常にスタンダードな方式で表されています
計算方法は
自分の体重をメートルに直した身長で2回割ってください
体重45キロで身長が160㎝の人だと
45÷1.60=28.125
28.125÷1.60=17.578・・・・
この場合はBMIは17.6になります
一般成人では18.5〜25までが標準とされ、
22が病気のリスクなどが1番低いと言われます
ただしバレエダンサーで22は太く見えすぎるので
バレエダンサーの平均値が18.7あたりにあることを考えて
BMIとしては19辺りを目指しておくと
リスクは少ないと思われます
さて、例に出した場合の人は
明らかに低すぎる感がありますよね？
17.6ですからね
ローザンヌの文書を見てみると
真ん中過ぎのあたりから
BMIの基準値についての表が載っています
ご丁寧に2歳から載ってます(笑)
間を飛ばして
13.5歳から見てましょう
grade1,2,3と男女別に分けてあり
1の段階で痩せているカテゴリー
2では深刻な栄養失調
3でさらに極端な栄養失調
と表記されています。
訳によっては栄養不良とも言えますが
栄養が足りてないことでは同じです
さらに、のちの文言で
grade2より下回るべきではないと書かれていますので
さっき上の例で出したダンサーだと
取り敢えずセーフですが、
彼女を16歳として、BMI17.6から
さらに5キロ痩せて40キロになってしまったと仮定すると
BMIは15.6となりgrade2を大幅に下回るため、
書類審査の段階で
高い確率で落ちるのではないかと思われます
grade2は本文でもundernourishmentと表現されていますし、
私個人、そしてトレーナーとしても
目指すべき痩せ方ではないと思います
このようにボーダーラインを明確に知っておけば、
周りが細いからと言って
無理なダイエットをする必要はないと
理解出来ると思います。
周りの細過ぎる子はもしかしたら、
ボーダーラインを下回っていて、
書類審査で落とされてしまうかもしれませんよ？
しっかりと自分に必要な体重はどのくらいなのか？
変な意見に流されないように知っていてくださいね
あ、最後に
体重が下回るのに脚の太さが気になる場合
それはもう痩せても無駄です
原因はそこでなく
踊り方にあります
痩せることよりレッスンの受け方のほうを
考えてください
