スポーツジムのバレエに物足りなさを感じて

平塚玲子さん(60代)

 今から60年ほど前、スポーツジムでバレエを始めました。そこでのレッスンは楽しかったのですが、どこか物足りなさを感じていました。スポーツジムでは会員をより多く集めることが重要で、一人ひとりを細かく見るより、みんなで楽しく、というスタンスになってしまうのは仕方のないことだとは思います。でも、自分がやりたいことと、そこで提供されているもののギャップにジレンマを抱えていました。そんなとき、たまたまFacebookで基礎を学べる大人バレエアカデミーがオープンしたことを知り、体験に行きました。

身体の使い方の感覚がわかっていくことに手ごたえ

 初めて体験に行ってみて、とにかくすごく楽しかった。スポーツジムのバレエもそれなりに楽しかったのですが、楽しさの質が違うんです。きちんと解剖学に基づいていて、指導方法にもしっかり芯が通っている。何を質問しても答えてくれることに感動して、その日のうちに入会しました。いろんな先生がいて、それぞれ言葉は違うけれど、一つ芯が通っていて、納得のいく指導をして下さいます。
 どこまでができていて、どこからできないのか、その境目を明確にして、次に何をすればよいのかを教えてくれる。手の形がうまくできなければ輪ゴムをはめ、呼吸が止まってしまうときはストローをくわえて意識的に呼吸できるようにするなど、身の回りにある簡単な物を使いながら、身体の使い方の感覚がわかっていくことに、手ごたえを感じました。

「姿勢がいいですね」とほめられるように

 私は反り腰がなかなか治らなくて悩んでいたのですが、身体のどこが弱いのか、重心をどのようにとったらよいのか、疑問に思っていたことが、一つずつクリアになっていってくのが楽しくて仕方ありませんでした。当面の目標は、トウシューズでしっかり指をつかって細く高く立つことです。
 入会して3年。最初は週に1回でしたが、3回に増やしました。今では反り腰はだいぶ改善され、コアな筋力がついてきて、バレエをしていないときも周囲の人から「姿勢がいいですね」、と言っていただけるようになりました。

アンチエイジングに役立つバレエ

 現在はアンチエイジングを目指すアロマテラピーの仕事をしているのですが、年齢を重ねていく上で身体を維持していくことの重要性も痛感しています。バレエはアンチエイジングにもとても役に立つと思います。
 クラシックバレエの舞台を観るのも大好きで、コロナ前は毎週のように観に行っていました。舞台はいろいろなプロが集結して作り上げていく総合的な作品ですから、お金を出しても観たいと思いますし、観るたびにとても感動します。
 スタジオに一歩足を踏み入れると、日常と離れた居心地のよさを感じることができて、精神的なストレス解消にもなっています。まだまだこれからも続けていきたいと思います。

 

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