こんにちは、大人のバレエを応援する大人バレエアカデミーの猪野です。
皆さんはピルエットの練習の前に
片足のつま先立ちするバランスの練習をしたことがありませんか?
その時なぜかすごくバランスが取りやすくて
その後のピルエットがさぞ調子が良いかと思いきや
全然回れなくてがっかりした経験はありませんか?
逆にバランスが取れないでいたと思ったら
回転は出来たりして
一体これはなぜ起こるのかと考えたことはないでしょうか?
そこで今日はピルエット関係であまり語られるのを見たことがない
ルルベをする時のつま先の方向性について書いてみたいと思います。
(今回のお話は前提が大人の方です)
例えば皆さんがアテールでつま先立ちをせずに立っている場合、
大体は重さは赤い丸のあたりにきて支えてきます。
(3点で立つとかの話はややこしいので省きます)
ルルベになるとその体重は緑の丸の方に移動してきます。
この時に大切なのは
ルルベをするということは体重がある程度
横方向への移動も伴うということです。
ルルベを上に行くイメージだけで考えていると
大人の方はうまくいかないことがあります。
つまり、ルルベをする瞬間に自分のつま先が向いている方向を
イメージとして捉えて、そこに向かってルルベをするということをすると
ルルベのクオリティが上がりやすいです。
これが外れていると足の中に立つ場所が存在しなくなるので
ルルベが上手くいきません。
アテールから青い方向に移動してもルルベが上手くいかないイメージはつくでしょうか?
故にルルベにおける立つ方向性はターンアウトがどのくらい回せるかで
人によって大きく異なります。
プロレベルならほぼ真横ですし、ターンアウトが苦手なほど
斜め前などの方向になります。
すいません、それでこれが前提です。
その上でピルエットをするという時にルルベをするわけですが
回転をしながらルルベをしているわけです。
練習で回転の前にバランスを取るときには
4番ポジションなどでその時向いているつま先に方向に
少しの移動を起こすようなルルベをすればいいわけです。
さっきの写真のように大体は緑の丸の方向にルルベをするでしょう
ところがですね、ピルエットでは回転をしているので
ルルベをする時にはつま先が前に来ていたりするのです。
となると、バランスを取っていた時のイメージは横方向なのに
回転をする時には前方向にいくイメージが必要だったりするのですが
それを練習していません。
結果としてルルベの方向がルルベをしながら横方向のイメージに引っ張られるので
小指の方向などにルルベが抜けて行ってしまったりするのです。
それは立てないよね、ということで回れないわけです。
このケースにおいてはこんな感じの考え方で
正直言って、ピルエットは100人が100人とも違う回り方をします。
重心が真ん中だったり、前だったりと先生によって教え方も違います。
でも「我こそは正しい」みたいな顔をして他の先生と違うこと言ってくるので
生徒からすると迷惑極まりないです。
ピルエットはあらゆる体の部位が奇跡的なバランスを作って回ります。
歯車が1つ変えるだけで簡単に回れなくなります。
なので、回れている人間に変な注意をするな、というのは
バレエ教師世界の金言です。
とはいえ、できない人にとってはルルベの方向性というのは
試してみる価値があることだと思います。
ぜひ一度やってみてください。