こんにちは、西新宿、銀座、池袋、芝公園、錦糸町、横浜で

大人のバレエの上達を応援する大人バレエアカデミーの猪野です。

まだ根強くバレエ界でも見られるチケットノルマですが

私はこのチケットノルマこそが発展しない業界の象徴だと考えています。

 

大きな理由は2つです。

1,バレエファンを作りにくい

2,運営側の無能の証明

 

1つ目のなぜバレエファンが作りにくいかというと

チケットノルマを課せられた若いダンサーに

販売能力なんてものは存在しません。

 

そうなると、多くの場合売る相手先は家族、友達、知り合いです。

ダンサーの家族は身内に興味を持ちやすいですから買ってくれますが

それは身内が出ている公演だからであって、出ない公演には来にくいです。

つまり、別にバレエが特別好きというよりは身内を見に来ているだけです。

 

次の友達や知り合いですがバレエダンサーの関係者だからといって

バレエに興味があるとは限りません。

その状態で連絡来るたびに5000円から1万円くらいのチケットを売ってこられたら

そのまま友達続けるのはしんどくなりませんか?私だったら連絡やめます。

面倒な友達というフィルターを通してバレエというものを捉えたら

バレエファンにはまずならないと、私は考えています。

 

それで考えるとチケットノルマで来させてしまった観客というのは

リピーターになるようなファンにはとてもなりにくいです。

 

その中でもその公演に興味を持ってきてくれている人が

チケットノルマで埋め尽くされた会場を見たらどう感じるでしょうか。

 

なんだか内輪ばかりで盛り上がっていて。疎外感を感じやすいわけです。

そんな状態でもう一度別の公演に来てくれるというのはなかなか厳しいでしょう。

 

結果、誰もリピートせずファンが増えず、また1からノルマをこなし続けていく

悪循環が始まります。

 

2番目の運営側の無能の証明ですが

本来であれば運営する側の人間がバレエの魅力を伝え

舞台を見る面白さを伝え、

観客の自由意思でもって来たいと思ってもらわなけば

純粋にバレエを他の公演でリピートしようとは思えないのです。

 

ただ、運営が無能であるが故にダンサーにノルマを課し

自分たちは楽をしてさぼっているわけです。

 

谷バレエ団が100万円のチケットノルマを0にしたことを自慢気に語っていましたが

ノルマを課していたというのは運営として恥ずべきことであり

それを0にしたというのは当たり前のことなんです。

 

例えば、

「うちは70年給料を払ってなかったのですが、ようやく最近払い始めました!」

とかいう会社があったらどう思いますか?

頭が悪すぎて言葉が出なくないですか?

でもこれが日本バレエのスタンダードです。

(バレエ界には給料なんてほぼ存在しないですよ)

 

ちなみに谷バレエ団の高部先生は

自分の生きている間には給料制すら実現しないと言っています。

70年間給料も払わずに存続しているプロを名乗る団体なんて

一般社会からしたらすぐ消えるべきなのですが

ダンサー自身が団費というお金を団体に入れ続け

国から売り上げの半分以上を補助金でもらって存続してしまっています。

 

その為、運営する側の能力が産業廃棄物と同レベルのまま危機感なく続いています。

 

バレエ団の運営たちはお金の勉強もしないし経営者としての自覚もないのに

ダンサーに対しては偉そうにプロしての自覚、矜持を求めてきます。

 

この不公平感が私は大嫌いなので

当然、先生には生徒紹介ノルマなんてものはないですし、

生徒さんはスタジオ側が集め、先生は指導の質を上げることに集中してもらっています。

その為の研修もかなりしっかり行います。

 

まずは私ができることとして生徒の皆さんに踊りに関わる楽しさ

上達して成長する楽しさを伝えて

このスタジオに関わる人たちだけは

何とかバレエをしてよかったと思えるようにしたいと思います。

 

キーワードで記事を探す