大人バレエアカデミー™、バレエトレーニングディレクターの猪野です。

バレエの外の集まりに一歩出てみると、そこであった人たちに

こんな相談をされることが良くあります。

「運動しないといけないのは分かっているんです」

「でも、仕事が終わるともう疲れていて続きません」

「何か始めたい気持ちはあるけれど、何をやればいいのか分かりません」

 

私はトレーナーという肩書もあるので、聞きやすいのだと思うのです。

 

こういう話ってついやる気がある、ない、というところで語られがちですが

運動しないでも生きてはいけるのに、どうしても運動をするやる気を出せないのは

仕方のないもの、という側面はあります。

なぜなら今の大人は、運動したくても、運動しにくい社会の中で生きているからです。

仕事がある。

家事がある。

育児がある。

移動もある。

スマホやパソコンに向かう時間も長い。

一日が終わるころには、気力も体力も残っていない。疲れてますよね。

それでも「健康のために運動しなければ」と思っている人は多いです。

この間で葛藤している人は多いはずです。

 

 

実際、スポーツ庁の令和6年度調査では、

20歳以上で「週1日以上」運動・スポーツをしている人は52.5%でした。

一方で、「今後は週1日以上やりたい」と答えた人は66.6%で、

希望と実態の間には14.1ポイントの差がありました。

特に20代から40代の女性で、この乖離が大きいことも公表されています。

 

 

つまり、運動したくない人ばかりなのではありません。

やりたいのに、できていない。

ここに、社会課題があると私は考えています。

 

 

さらにWHOは、2022年時点で世界の成人の31%、

およそ18億人が推奨される身体活動量を満たしていないとしています。

身体活動不足は、心血管疾患、2型糖尿病、一部のがんなどのリスク上昇と関係すると言われています。

 

 

運動は大事、でも分かっていても、できない。

その現実に対して、どういう入口を作るか。

そこに、大人バレエアカデミー™としての解決が1つあると考えています。

 

大人バレエアカデミー™は、趣味でバレエをしたいという人を応援するスタジオです。

つまりバレエが上達して継続できるということは

大人がもう一度、自分の身体を使う習慣を取り戻しているということです。

 

 

バレエというと、

特別な人がやるもの。

小さいころからやっていた人のもの。

身体が柔らかい人のもの。

そんなイメージを持たれることも少なくありません。

 

 

プロを目指すなら実際にそうなることが多いです。

でも大人バレエアカデミー™で大切に考えているのは、

昨日の自分よりも1歩でも上達していることです。

 

 

誰かと比べるためではなく、自分の人生の挑戦にバレエを上手に使うことです。

姿勢を整える。

足を使う。

体幹を使う。

音に合わせて動く。

手足を協調させる。

集中する。

感覚を取り戻す。

 

自分の体をバレエを通して向き合うことで

ただ身体を動かすだけではなく、

「昨日より少し良くなった」

「前より立ちやすい」

「前より身体が軽い」

という上達の感覚があります。

 

前に進んでいる、というのは物凄く大切です。

運動しなきゃ、ではなく

あの動きが上手くなりたい、そう思えると勝手にレッスンに行きたくなるのです。

 

義務感しかない努力は続きません。

楽しくやれることは続きます。

 

ただ走るだけでは続かなかった人が、バレエだと続くことがあります。

ただ運動するためではなく、

姿勢を整えたい。

自分の身体をちゃんと使えるようになりたい。

そういう前向きな目的があると、

運動は習慣になりやすくなります。

 

 

私は、大人の運動習慣に必要なのは、根性ではなく続けられる設計だと思っています。

怖くなくて、恥をかきにくい。

置いていかれずに痛めにくい。

何を直せばいいか分かって少しずつの変化が見える。

この条件がそろうことで続けられると考えています。

 

だから大人バレエアカデミー™では、大人の身体に合わせて、

解剖学を使いながら、

基礎から積み上げることを大切にしています。

無理に形だけを真似させるのではなく、

なぜそうなるのか。

どこがうまく使えていないのか。

何を先に整えるべきなのか。

そこを順番に見ていきます。

 

正しい順番で始めれば、

大人の身体はちゃんと変わります。

身体が変われば気持ちが前向きになる。すると、また次も頑張ろうと思える。

そういう変化につながります。

 

大人が身体を動かせるようになることは、

その人個人の健康のためだけではなく、

社会全体にとっても価値があることだと思っています。

目立たなくても、確実に社会を良くする力です。

 

 

だから私たちは、

バレエを一部の人の特別なものとしてではなく、

大人が健康に、前向きに、自分の身体を取り戻していくための選択肢の一つとして

広げていきたいと思っています。

 

 

大人バレエアカデミー™がやっているのは、

大人にバレエを教えることです。

 

でもそれだけではありません。

運動しなければと思いながら止まっていた人に、

「ここなら始められるかもしれない」と思える場所を作ること。

それもまた、私たちの大事な仕事だと考えています。

 

 

だからこれからも私たちは、

大人の上達を支えながら、大人がちゃんと運動できる社会を少しずつ増やしていきます。

 

 

2026年5月に大人バレエアカデミー™は自由が丘に新しくスタジオをオープンします。

これも素敵な街に行くことが行動するきっかけになればいいと考えています。

良いスタジオになるように頑張ります。

 

 

参考
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」および関連資料。成人に対する身体活動・運動の推奨事項、身体活動量と疾患リスク低下の関係が整理されています。

スポーツ庁「令和6年度『スポーツの実施状況等に関する世論調査』」。20歳以上の週1日以上の運動・スポーツ実施率52.5%、実施希望率66.6%、両者の差14.1ポイント、20代〜40代女性で乖離が大きいことが示されています。

WHO 2024年6月26日公表情報。2022年時点で世界の成人の31%、約18億人が推奨される身体活動量を満たしていないこと、身体活動不足と疾患リスクの関係が示されています。

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