こんにちは、大人バレエアカデミー™、バレエトレーニングディレクターの猪野です。

バレエのレッスンで、ふだんあまり意識しない場所があります。
それが、足の指です。

ポワントで立つ。
ジャンプで床を押す。
ルルヴェで高く上がる。
どの動きも、足の指が床をとらえていないと、安定しにくくなります。

その足の指の力を、きちんと測る方法を確かめた研究がありました。

足の指の力を「正確に測る」ための研究

掲載されたのは、いつものダンス医学の専門誌『Journal of Dance Medicine & Science』です。

対象は、プロを目指してバレエを学ぶ学生25人(女性23人、男性2人)です。
平均年齢は16.5歳です。
研究チームは、足の指で押す力を測る専用の装置を使い、その測り方が信頼できるかを調べました。

足の指を25度反らせた状態で、できるだけ強く押してもらい、その力を測ります。
同じ測定を48〜72時間あけてくり返し、結果がどれだけ一致するかを確かめました。

測るたびに結果がそろう、信頼できる方法だった

結果は、とても安定していました。

日をあけて測っても、ほぼ同じ値が出ました。
測定のぶれを考えると、本当に力が変わったと言えるのは、およそ10〜14%以上の変化があったときだ、ということも分かりました。

研究者たちは、少なくとも1回は測定に慣れるための練習の機会を設け、本番では3回ずつ測ることをすすめています。
そして、この方法がケガからの回復の確認や、ポワントを始める準備ができているかの判断にも役立つ可能性がある、と述べています。

これは、主にプロを目指す若い学生を対象にした研究です。
大人の生徒さんにそのまま当てはまるかは、まだ分かりません。
それでも、足の指の力を数字で確かめられる方法が示されたことには、意味があると思います。

なぜ、足の指の力が大切なのか

研究者たちは、足の指を曲げる力が、走ったり跳んだりするときに身体を前や上へ押し出すために、とくに重要だと述べています。

バレエでいえば、

ジャンプで、床を押して跳び上がるとき。
ルルヴェで、床を押して高く上がるとき。

足の指が床をしっかりとらえていると、足裏が安定し、身体を押し上げる土台になってくれます。

「指で床をつかむ」のとは違う

ここで、ひとつ気をつけてほしいことがあります。

足の指の力が大切だといっても、指を丸めて床をぎゅっとつかむのとは違います。
指を丸めて握りこむと、足の甲や足首が固まり、かえってバランスがとりにくくなります。

目指したいのは、指を長く伸ばしたまま、指の腹で床を押せる状態です。
指先まで床に触れていて、そのうえで押す力がある。
その感覚を育てていきましょう。

おうちでできる、足指のトレーニング

次の練習は、この研究で調べられたものではなく、レッスンの現場でよく取り入れられているものです。

タオルを足の指でたぐり寄せる

床にタオルを広げ、かかとを床につけたまま、足の指でタオルを少しずつ手前に寄せます。
指を丸めすぎず、指の腹を使う意識で行ってください。

足の指でグーとパー

足の指を閉じて縮め、次に大きく広げます。
指の間が開かない人は、手で手伝いながらで構いません。

足の指を伸ばしたまま、床を押す

椅子に座り、足の指を長く伸ばしたまま、指の腹で床を軽く押します。
土踏まずが少し持ち上がる感覚があれば、うまくできています。

どれも、痛みが出ない範囲で、少しずつ行ってください。
足に痛みやしびれがある場合は、医療機関に相談してください。

足の指は、目立たない場所です。
けれど、ジャンプで床を押すときも、ルルヴェで上がるときも、足の指は働いています。
今日のレッスンでは、ぜひ足の指まで意識を届けてみてください。

参考文献

Schrefl A, Schärli A, Goldmann JP, Erlacher D, Kolokythas N. Toe Flexor Muscle Strength in Vocational Ballet Dancers: Reliability, Variability, and Minimal Detectable Change of a Custom-Made Dynamometer. Journal of Dance Medicine & Science. 2026;30(3).
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1089313X251344756

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