こんにちは、大人バレエアカデミー™、バレエトレーニングディレクターの猪野です。

先生に直してもらったときはできたのに、もう一度やってみると、さっきのようにはできない。
レッスンで、そんな経験はありませんか?

プライベートなら、その場で続けて見てもらえます。
でも、グループでは先生はクラス全員を教えています。
ほかの生徒に説明していたり、次の練習に進んだりして、自分の疑問をすぐには確かめられない場合もあるでしょう。

そういうとき、もう一度注意してもらうまで、元のやり方に戻ってしまっていないでしょうか。

一度でできるようにならないのは、仕方がありません。
ただ、教わったことを試すのが先生に見てもらっている間だけでは、練習する時間が少なくなってしまいます。
グループレッスンを受けるなら、自分に声がかかっていない間にも、何を練習するかを考えてほしいのです。

教わったことを、次の繰り返しでもやってみる

例えばタンデュで、脚を戻すときに姿勢が崩れるので、その戻し方を教わったとします。
先生とゆっくり確認するとできたのに、音楽に合わせるとまた崩れてしまう。

そこで「やっぱりできない」と終わらせる前に、ゆっくり動いたときに何をしたか、思い出してみてください。
少なくとも、その速さなら一度はできています。
次に同じ動きが出てきたときに、教わったやり方で戻せるかを試してみる。
そのために、同じ動きを繰り返す時間があります。

練習していると、右ではできるのに左では難しい、最初はできても後半になると崩れる、といった違いに気づくかもしれません。
完成した動きだけを見れば、まだできていないとしても、次に確かめたいところは分かってきます。

「ゆっくりならできるのですが、音楽に合わせると戻すところで崩れます」と伝えれば、先生もそこを見て確認できます。
違いが分からなければ、「教わったようにやっているつもりですが、合っているか分かりません」と見てもらえばよいのです。
自分で原因まで突き止める必要はありません。

これは、その日に教わったことだけではありません。
前回の注意も、まだ直っていなければ練習は続きます。
今日は先生が腕の説明をしているからといって、前回教わった脚の戻し方をやめてよいわけではないでしょう。

もちろん、新しい注意が増えれば、全部を一度に意識するのは難しくなります。
特に、順番を追うだけで精いっぱいのクラスでは、自分がどう動いたかを確かめる余裕がありません。

毎回そうなっているなら、基礎のクラスで練習することも考えてください。
知っている動きだからこそ、順番以外のことに気を配れます。
難しいクラスについていくことと、教わった動き方を身につけることは、同じではありません。

ほかの人が直されているところも見る

グループでは、自分以外の生徒が教わる様子も見られます。
先生が説明しているのに、自分の名前が呼ばれていないからと聞いていなければ、せっかく同じ場にいるのにもったいないです。

自分が踊っている最中は分からなかった注意が、ほかの人の動きを見ると分かる場合もあります。
先生が直す前はどうなっていて、教わったあとに何が変わったのか。
そこまで見られるのは、完成したお手本を見るのとは違う勉強になります。

ただし、注意の言葉だけをそのまま自分に当てはめないでください。

例えば、身体が後ろへ倒れている人に、先生が「もっと前へ」と言ったとします。
それを聞いて、すでに前へ傾いている人まで前に動けば、かえって崩れてしまいますよね。
同じ動きを練習していても、必要な修正まで同じとは限りません。

どんな動きに対して、何を直すための注意だったのか。
先生の説明と、その人の動きを一緒に見てください。
自分にも当てはまるか分からなければ、「私も後ろに倒れていますか」と確かめられます。

ほかの人が上手くできたときも、「あの人は上手だから」で終わらせてしまうと、途中で何を教わっていたかを見落とします。
最初からできたのか、先生の説明を聞いて動かし方を変えたのか。
自分の練習に役立つのは、そうしたところです。

分からないことを聞くのと、ずっと見てもらうのは違う

ここまで自分で練習する話をしてきましたが、説明が分からないまま、一人で何とかする必要はありません。
何をすればよいか分からなければ、先生に聞いてください。

グループでは、音楽が流れている最中に詳しく聞き返すのは難しいですよね。
注意を受けて、とりあえず「はい」と返事をして、そのまま次の動きへ進む人もいるでしょう。
その場で聞けなかったことは、動きが終わったところなどで確認してよいのです。

ただ、質問する内容によって、答えるために必要な時間は違います。

動きの順番や音の取り方なら、短く確認して練習を始められます。
一方で、「言われたように動こうとすると、別のところに力が入ってしまう」という相談なら、実際に動いてもらわなければ分かりません。
やり方を変えて、もう一度確かめる時間も必要でしょう。

そうした確認を、グループの中で自分が納得するまで続けてもらえるとは限りません。
ほかの生徒も教わりに来ています。
質問してよいことと、自分一人のために時間を使い続けてもらうことは、分けて考える必要があります。

その場で詳しく見てもらえないなら、いつ相談できるかを確認してください。
レッスン後も、先生には次の仕事や移動があります。
長くなりそうなら、先に都合を聞いたほうがよいでしょう。
一つの動きをじっくり確かめたい場合には、プライベートを利用する方法もあります。

教師の側も、今は答えられないというだけで終わらず、いつ、どうすれば確認できるかを伝える必要があります。
分からないまま練習させることを、生徒の自主性とは言いません。

自分が取り組んでいることを、先生に伝える

前回の注意を練習してきたけれど、合っているか分からない。
そういうときは、何を練習したかも先生に伝えてください。

「前に教わった脚の戻し方を練習しています。これで合っていますか」と言ってもらえれば、先生はその動きを確認できます。
姿勢が直っていなかったとしても、何もしていなかったのか、やり方を勘違いしたのか、分かっていても動くと崩れるのかで、教える内容は変わります。

自分が何をしようとしたかは、動きを見ただけでは伝わりきらない場合もあります。
前回から取り組んでいることまで、先生が全て察してくれるとは限りません。

体調や、その日は避けたい動きについても同じです。
始まる前に伝え、途中で変わったら、そのときに知らせてください。
先生から声をかけられるまで待つ必要はありません。

グループであっても、一人ひとりを見て教えるのは教師の仕事です。
そのうえで、生徒にも、教わった方法を自分で試してほしいのです。
試しても難しかったところが分かれば、先生と次の練習を考えられます。

レッスンを振り返るときも、今日は何回注意されたかより、その注意を受けて自分が何をしたかを思い出してみてください。

やり方が分からず止まっていたなら、次はそこを質問する。
練習して少し変わったなら、それが合っているかを見てもらう。

先生に見てもらうときには、自分が確かめたいことも伝えてみてください。

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