こんにちは、大人バレエアカデミー™、バレエトレーニングディレクターの猪野です。
大人からバレエを始めた方に、かなりの確率で聞かれることがあります。
「今からでも上手くなれますか?」
30代、40代、50代、60代。始める年齢は人それぞれですが、子どもの頃から習っている人を見たあとほど、この質問が出てきます。
脚は高く上がるし、振付はすぐ覚えるし、ピルエットも普通に回る。何より、立っている姿そのものが自分とは違って見える。
そういう人を見ると、
「やっぱり子どもの頃からやっていないと無理なんじゃないか」
と思ってしまう気持ちは分かります。
実際、大人から始めることと、5歳や6歳から始めることは同じではありません。
身体の柔軟性も違いますし、覚えるまでにかかる時間も違います。長年の姿勢の癖がある人もいますし、仕事で一日中座っている人もいます。膝や腰に不安を抱えている人もいます。
なので、「何歳から始めても条件は同じです」と言うつもりはありません。
ただ、大人から始めても上達する人はいます。
これは励ますために言っているのではなく、実際にレッスンを見てきてそう思っています。
最初はバーから手を離すのが怖かった人が、数年後にはセンターで踊っている。
パッセで一秒も立てなかった人が、ピルエットを練習するようになる。
タンデュで毎回骨盤が動いていた人が、何年か経つと、こちらが細かいところを注意できるくらい身体の使い方が変わっている。
そういう人を何人も見てきました。
一方で、何年もレッスンに通っているのに、あまり身体の使い方が変わらない人もいます。
この違いは何だろう、と私はずっと考えてきました。
身体が柔らかいかどうかだけではありません。
最初から柔らかいのに、なかなかバレエらしい動きにならない人もいます。
運動神経だけでもありません。
最初は動きを覚えるのが遅くても、数年かけてかなり踊れるようになる人もいます。
週に何回レッスンへ来るかはもちろん大事です。でも、ただ回数だけ増やせばいいわけでもありません。
上達する人を見ていると、身体能力以外の部分にいくつか共通するものがあります。
今日はそこを書いてみます。
できない理由を、すぐ年齢にしない
大人から始めた方を教えていると、
「もう歳なので」
という言葉を本当によく聞きます。
ピルエットが回れない。
脚が上がらない。
振付が覚えられない。
ジャンプが怖い。
そのたびに、「歳だから」と結論を出してしまう。
もちろん、年齢による身体の変化はあります。そこを無視する必要はありません。
ただ、何でも年齢にしてしまうと、原因を探さなくなってしまうんです。
ピルエットが回れないとき、本当に年齢だけが原因なのか。
プリエで骨盤が後ろに残っているのかもしれない。
軸足に立つ前に回り始めているのかもしれない。
ルルベに立つと足首が崩れているのかもしれない。
脚が上がらないときも同じです。
身体が硬いからだけではなく、軸足が不安定で脚を自由に動かせないこともあります。
骨盤をずらして上げようとしているから、途中で動きが止まっていることもあります。
「歳だからできない」で終わると、それ以上やることがなくなります。
でも、
「何ができていないんだろう」
と考えると、練習できることが見えてきます。
上達していく人は、この考え方をしていることが多いです。
できないことを、自分そのものの評価にしません。
「私はできない」
ではなく、
「今はここができていない」
と考えています。
この違いはかなり大きいです。
「できない人」になってしまうと、その先はありません。
でも、「この部分がまだできていない」なら、そこを練習すればいいだけです。
最初から上手に見せようとしない
大人から始めた方を見ていると、真面目な人ほど、最初からバレエらしくやろうとします。
脚を高く上げようとする。
腕を大きく使おうとする。
胸をきれいに見せようとする。
つま先を強く伸ばそうとする。
お手本の先生と同じ形を作ろうとするわけです。
気持ちはよく分かります。
せっかくバレエをやっているのだから、きれいに踊りたいですよね。
でも、ここで形だけを追うと、あとで苦労することがあります。
例えばデヴェロッペで、先生の脚が90度以上上がっている。
自分も同じ高さまで上げたい。
でも、軸足がまだ安定していない。
その状態で脚の高さだけを追うと、骨盤を傾けたり、上半身を反対側へ倒したりして、とにかく脚だけ上げる形になります。
本人からすると、「前より脚が上がった」になります。
でも、こちらから見ると、脚を上げるための土台がなくなっている。
あとでそれを直そうとすると、今度は脚を低くしなければいけません。
すると、「前よりできなくなった」と感じることもあります。
でも、実際には逆で、正しい使い方に戻しているだけです。
この時期を受け入れられる人は強いです。
一時的に見た目が地味になっても、今はここを直した方がいい、と分かっている。
上手に見せることより、上手になることを選べる人です。
これは大人のバレエではかなり大事だと思います。
注意されたことを「否定された」と受け取らない
これは大人だからこそ難しいところかもしれません。
大人になると、日常生活の中でこれほど細かく身体を直されることはほとんどありません。
仕事ではある程度経験を積んで、自分が教える側になっている方も多いと思います。
家庭でも、誰かに毎回「違います」と言われることはそんなにありません。
ところがバレエのレッスンへ来ると、
「膝が内側です」
「骨盤が動いています」
「腕が低いです」
「音より遅れています」
「そこじゃないです」
と、何度も直されます。
かなり特殊な環境ですよね。
しかも、一度言われたからといってすぐ直るわけでもありません。
次の週もまた同じことを言われる。
一カ月後も同じことを言われる。
人によっては半年くらい同じ注意を受けることもあります。
そうすると、
「私は全然できない」
「先生に嫌われているのかな」
「また同じことを言われてしまった」
と落ち込む人もいます。
でも、教える側からすると、必ずしもそういうことではありません。
私も同じ注意を何度もします。
それは、その人を否定しているからではなく、そこが変われば次へ進めると思っているからです。
むしろ、もう直らないと思っていたら、そこまで何回も言わないこともあります。
上達していく人は、途中からこの受け取り方が変わります。
「また怒られた」
ではなく、
「またここか。じゃあ今日はここを見よう」
となってくる。
注意を自分の人格と結びつけない。
これができると、かなり練習しやすくなります。
一回で全部できると思わない
バレエは、見ると簡単そうな動きが多いです。
プリエは膝を曲げるだけに見える。
タンデュは脚を出して戻すだけに見える。
ルルベはつま先立ちに見える。
でも、実際にやると全然違います。
タンデュ一つでも、軸足を保って、骨盤を動かさず、股関節から脚を動かして、膝を伸ばして、足首を使って、つま先まで伸ばして、そこから同じ道を戻ってくる。
そこに腕と顔と音まで入ります。
最初から全部できる方が珍しいです。
ところが大人は、頭で説明を理解すると、身体もできると思いやすいんです。
「言っている意味は分かりました」
となる。
でも、分かったこととできることは別です。
頭では分かっていても、身体がその通りに動くまでには時間がかかります。
私はここをかなり大事にしています。
生徒さんが、
「分かっているんですけど、できないんです」
と言うことがあります。
それで普通です。
むしろ、最初はそういうものです。
理解したものを何度も身体で試して、少しずつ動きにしていきます。
上達する人は、この時間をあまり嫌がりません。
今日は腕までできなかったけど、脚は少し分かった。
今日は顔がつかなかったけど、プリエは前より安定した。
そうやって進みます。
何でも一回で完成させようとすると、毎回失敗した気分になります。
それでは長く続きません。
難しいクラスへ行けば上達する、とは考えていない
これは教えていてかなり感じます。
「もっと難しいクラスに行った方が上手くなりますか?」
と聞かれることがあります。
もちろん、ずっと同じことだけをやっていればいいわけではありません。
ある程度できるようになったら次の段階へ行く必要があります。
ただ、難しいことをしていることと、上達していることは別です。
シングルピルエットが安定しないのにダブルを回る。
タンデュで骨盤が動くのにグランバットマンを高く上げる。
5番ポジションが安定していないのに難しいアレグロをやる。
勢いでできることもあります。
でも、それで基礎ができるようになったわけではありません。
ここは大人の方が勘違いしやすいところでもあります。
難しいアンシェヌマンを最後までついていけると、「今日は上手くできた」と感じる。
逆に、基礎クラスでタンデュを細かく直されると、「今日は全然できなかった」と感じる。
でも、上達という意味では逆のこともあります。
私は、上手くなっていく人ほど、だんだん基礎を雑にやらなくなると感じています。
最初は難しいことに目がいきます。
でも、ある程度分かってくると、
「結局ここなんだな」
とプリエやタンデュに戻ってきます。
単純な動きほどごまかしがきかないからです。
以前より何が変わったかを見ている
大人の生徒さんを見ていると、本人が自分の上達に気づいていないことがあります。
「今日も全然できませんでした」
と言って帰ろうとする。
でも、私から見るとかなり変わっている。
以前はパッセに立った瞬間に落ちていたのに、今日は一秒止まれた。
以前は10回全部骨盤が動いていたタンデュが、今日は3回くらいきれいにできた。
以前は先生の説明を聞いても何を言っているのか分からなかったのに、今は注意される前に自分で気づける。
これは全部上達です。
でも本人は、ピルエットが一周できなかったから「失敗」と思っていたりします。
大人のバレエは、できた・できないの二択にすると、かなりつらくなります。
バレエは完成度を上げていくものなので、いくらでも直すところが出てきます。
プロでも先生から注意されます。
だから、「完全にできた」を基準にしたら、いつまでもできないことになります。
上達している人は、少しずつ見る場所が変わってきます。
前よりどこが変わったか。
何が分かるようになったか。
前回より何が少し楽になったか。
ここを見ています。
この感覚がある人は、何年も続けやすいです。
他の人を見ても、自分を採点する材料にはしない
バレエのレッスンでは鏡があります。
当然、周りの人も見えます。
自分より脚が高い人。
自分より柔らかい人。
同じ時期に始めたのに、先に上のクラスへ行った人。
気になると思います。
他の人を見ないでください、と言っても無理でしょう。
私も、人を見ること自体は悪いと思っていません。
上手な人から学べることはたくさんあります。
ただ、他人を使って自分を採点し始めると苦しくなります。
大人の初心者は、スタート地点が本当に違います。
昔ダンスをやっていた人もいます。
新体操をやっていた人もいます。
ヨガを何年もやってきた人もいます。
一方で、学生時代以来ほとんど運動していない人もいます。
同じ「バレエ歴一年」でも、身体に入っている経験が全然違います。
股関節の形も違うし、関節の柔らかさも違います。
仕事の環境も違います。
週4回来られる人と週1回の人もいます。
ここを全部無視して「同じ一年なのに」と比べても意味がありません。
上達している人は、周りの人を参考にはします。
でも、評価するときは以前の自分を見ています。
去年よりどうか。
半年前よりどうか。
始めた頃と比べてどうか。
その方が、自分の変化を正しく見られます。
分からないことを、そのまま何年もやらない
これも上達の差が出るところです。
レッスンで先生から、
「もっと床を押して」
「軸を上げて」
「背中を使って」
と言われる。
分からない。
でも、そのまま何となくやる。
また次の週も同じことを言われる。
それでも何となくやる。
これを何年も続けている方が実際にいます。
バレエには感覚的な言葉が多いので、最初は意味が分からないことが普通です。
ただ、分からないなら、どこかで確認した方がいいです。
「床を押すというのは、どこでどう押すんですか?」
「今の注意は、私のどこを直そうとしているんですか?」
こう聞けばいい。
全部のレッスンを質問で止める必要はありませんが、何カ月も意味が分からないままやる必要もありません。
ここは大人の強みが使えます。
大人は言葉を理解できます。
何をやろうとしているのかを整理できます。
自分の身体で起きていることを先生に伝えることもできます。
子どものように何年も感覚だけで身体に入れる時間がない人ほど、この力を使った方がいいと思います。
毎回違うことをやりすぎない
上達しにくい人を見ていて、少し気になることがあります。
毎回違うクラスへ行く。
毎回違う先生に習う。
昨日言われたことを確認する前に、今日は別のやり方をやる。
いろいろ受けること自体が悪いわけではありません。
違う先生から習うことで分かることもあります。
ただ、身体を変えるにはある程度同じことを繰り返す時間が必要です。
例えば、タンデュで骨盤を動かさないようにしましょう、と言われた。
一回のレッスンで完璧にはなりません。
次のレッスンでもやる。
また次もやる。
少しずつ身体が覚える。
その途中で毎回違う指示が入ると、何ができるようになったのか分からなくなることがあります。
特に大人は、レッスンの数を増やすことより、何を身につける期間なのかを少し意識した方がいいです。
今月はまずプリエ。
今は5番で立つこと。
今は片手バー。
そうやって自分なりにテーマがあると、レッスンがつながります。
できる人の速さを、そのまま自分に求めない
私はこれも大事だと思っています。
子どもの頃から踊っている先生が、動きを一回見せる。
すぐできる人もいる。
でも、大人から始めた人は、まず右と左を確認して、足の順番を確認して、腕を確認して、それから音に合わせることになります。
遅くて普通です。
それを見て、
「私は覚えが悪い」
と思う必要はありません。
長くやっている人は、アンシェヌマンを全部新しい動きとして覚えているわけではありません。
タンデュ、ジュテ、パ・ド・ブーレ、グリッサード、アッサンブレ。
すでに知っている部品を組み合わせています。
大人の初心者は、その部品自体をまだ覚えている途中です。
だから時間がかかります。
でも、何年か続けると変わります。
以前は先生が一回見せても何も分からなかった人が、だんだん、
「次はこのパターンかな」
と分かるようになります。
振付を覚える速さも上がります。
これも立派な上達です。
最初の自分の遅さだけを見て、向いていないと判断するのは早いと思います。
身体に違和感があるときに、意地で続けない
上達するには練習が必要です。
これは間違いありません。
でも、大人の場合は「休まない人が一番上手くなる」とも思っていません。
膝がいつもと違う。
腰が痛い。
足首に違和感がある。
そういうときに、
「せっかく予約したから」
「休んだら下手になるから」
と無理をする人がいます。
数日休むことより、怪我をして何カ月も踊れなくなる方がはるかに大きいです。
大人は仕事もあります。
睡眠不足の日もあります。
疲労が抜けていない日もあります。
毎回同じ状態でレッスンに来られるわけではありません。
だからこそ、自分の身体の状態を見ることも練習の一つだと思います。
これは甘やかすということではありません。
長く続けるためです。
大人のバレエは、一カ月や二カ月で完成するものではありません。
何年も続けて身体を変えていきます。
その前提で考えれば、今日一回無理をすることより、来年も踊っていることの方が大事です。
結局、来なくなったら上達は止まる
いろいろ書いてきましたが、最後はすごく普通の話になります。
上達している人は、続けています。
これがかなり大きいです。
毎回ものすごくやる気があるわけではありません。
仕事が忙しい日もある。
雨の日もある。
今日はあまり調子がよくないな、という日もある。
それでも、無理のない範囲でレッスンを続けている。
この人はやっぱり変わっていきます。
一方で、最初の三カ月だけ週5回来て、疲れて辞めてしまう。
これでは身体は変わりません。
「週何回やれば上達しますか?」
とよく聞かれます。
もちろん回数は大事です。
週1回より週2回、週2回より週3回の方が、同じ条件なら身体に触れる時間は増えます。
ただ、そのペースを続けられるかの方が私は大事だと思っています。
週4回を二カ月で辞めるより、週2回を三年続けた方が、当然たくさん練習することになります。
無理なく続けられるペースを作る。
これはかなり地味ですが、一番効きます。
大人だからできる上達の仕方もある
ここまで読むと、
「結局、大人は子どもより大変なんだな」
と思うかもしれません。
身体の条件だけを見れば、そういう部分はあります。
でも、大人には大人の強みがあります。
なぜこの練習をするのかを理解できます。
自分がどこで失敗したのか考えることができます。
先生の説明を言葉で整理できます。
前回との違いを比較できます。
自分で動画を見て確認することもできます。
必要なら解剖学を勉強することもできます。
私は、大人から始めた人は、ここをもっと使った方がいいと思っています。
子どもと同じやり方で上手くなろうとしなくていい。
大人には、大人の上達の仕方があります。
例えば、タンデュが上手くいかない。
子どもなら何年も繰り返す中で自然に直ることがあります。
大人なら、
「なぜ骨盤が動くのか」
「軸足で何が起きているのか」
「脚をどこから動かせばいいのか」
を理解してから練習することができます。
理解しただけで身体が変わるわけではありません。
でも、間違った方向に何百回も練習するのは減らせます。
これはかなり大きなメリットです。
「趣味だから」は、上達しなくていい理由にはならない
大人バレエでは、
「趣味なので」
という言葉もよく聞きます。
もちろん趣味です。
ほとんどの方がプロを目指しているわけではありません。
でも、私は趣味だから上手くなろうとしなくていいとは思っていません。
趣味だからこそ、上手くなった方が面白いです。
最初はバーから手を離すだけで怖かった。
それがセンターで踊れるようになる。
最初は先生の振付を追いかけるだけだった。
それが少しずつ音を聞けるようになる。
最初は脚と腕を動かすだけで精一杯だった。
それが顔の向きや表現まで考えられるようになる。
そういう変化があるから、バレエは長く続けられるのだと思います。
「大人から始めたのに、本気で上手くなりたいと言うのは恥ずかしい」
と思う必要はありません。
上手くなりたいなら、上手くなろうとしていいです。
ただ、そのために無理をしたり、人と比べて苦しくなる必要はない。
私はそう思っています。
実際に変わっていく人は、派手なことをしていない
長く教えていると、何年か前の姿をこちらは覚えています。
本人は忘れていることが多いです。
「私、全然上手くなっていません」
と言われて、
「いや、最初バーから手を離せなかったですよ」
ということがあります。
本人は、
「そうでしたっけ?」
と言う。
こういうことは本当にあります。
人間は今できないことばかり見ます。
今ピルエットができなければ、ピルエットができない自分を見る。
でも、その前にできるようになったプリエやタンデュやセンターのことは、もう当たり前になって忘れています。
上達って、案外そういうものだと思います。
一つできると、それはできて当然になって、次のできないことが見える。
だから本人にはあまり進んでいる感じがしない。
でも、数年前から見ると全然違う。
実際に変わっていく人は、毎日特別なことをしているわけではありません。
レッスンに来る。
注意されたことを少し覚えている。
できなければまたやる。
難しいことばかり追わない。
分からなければ聞く。
身体が痛ければ無理をしない。
また次の週に来る。
これを繰り返しています。
外から見ると、本当に地味です。
でも、数年経つと大きな差になります。
大人から始めても上達できるのか
最初の質問に戻ります。
「大人から始めても上手くなれますか?」
私は、上手くなれると思っています。
ただ、「何歳からでも何でもできる」という意味ではありません。
身体の条件は人によって違います。
年齢による変化もあります。
できるようになるまでの時間も人によって違います。
そこを無視して、夢のようなことを言うつもりはありません。
でも、今できないことが、この先もずっとできないとは限りません。
最初はバーから手を離せなかった人がセンターで踊る。
ルルベに立てなかった人が回転を練習する。
振付が全然覚えられなかった人が、音楽を聞きながら踊れるようになる。
これは実際に起きています。
だから、「大人だから」という理由だけで、最初から自分の可能性を決める必要はありません。
大人には大人の身体があります。
大人には大人の生活があります。
そして、大人には大人なりの学び方があります。
そこを無視せず、自分の身体を知って、今やることを一つずつ積み重ねていく。
その人はちゃんと変わっていきます。
私が見てきた中で、大人から始めて上達した人に、何か特別な才能があったかというと、必ずしもそうではありません。
最初から柔らかかったわけでもない。
最初から運動神経が良かったわけでもない。
すぐ振付を覚えられたわけでもない。
ただ、できないことを一つずつやって、続けてきた。
結局、それが一番大きいです。
今できない動きがあったら、それを見て「向いていない」と決めるのではなく、
「今の自分は、何ができるようになれば一つ先に進めるんだろう」
と考えてみてください。
私は、その考え方ができる人は、大人から始めてもまだまだ上達できると思っています。




