こんにちは、大人バレエアカデミー™、バレエトレーニングディレクターの猪野です。
バレエはプロになるまでにかなりの費用がかかることが有名ですが、
実は私は、アメリカの大学への留学費用を除けば、バレエを始めてからバレエ団の舞台に立つまでに、200万円もかかっていません。
アメリカで通っていたバレエスタジオが、月謝を無料にしてくれました。6週間のサマーインテンシブにもスカラーシップをいただき、無料で参加しました。
ただし、これは私が特別に優れたダンサーだったからではありません。
大きな理由は、私が男性だったことです。
当時は男性ダンサーが少なかったため、男性というだけで学ぶ機会を与えてもらえました。私がバレエをするうえで最も運が良かったことがあるとすれば、それは男性として生まれたことだったと思います。
私は、周囲の人に育ててもらった
理由が何であったとしても、私は多くの人に力を貸してもらい、バレエを続けることができました。
月謝を免除してもらい、学ぶ機会を与えてもらい、舞台に立たせてもらった。
自分の努力だけで、バレエ団の舞台まで進めたわけではありません。
振り返ると、私は日本のバレエ界というより、アメリカのバレエ界に育ててもらったという感覚があります。
とはいえ、バレエから受けた恩は、バレエに返したいと思っています。
バレエに関わる人が、負担し続ける構造
一方で、日本のバレエ界を見ると、私が経験してきたものとは反対の構造になっていると感じます。
踊るためにお金を払い、舞台に立つためにもお金を払い、指導する立場になっても十分な報酬を得られない。
それでも、
「バレエなのだから仕方がない」
「好きでやっているのだから我慢するべきだ」
「芸術にお金の話を持ち込むべきではない」
とされてしまう。
私は、この構造に怒りを感じています。
バレエそのものが悪いのではありません。
問題は、バレエに関わる人を育て、生活を支え、次の機会を生み出す仕組みが十分につくられていないことです。
少子化が進み、働き方や価値観も変わっている時代に、時間もお金も負担し続けなければならない業界を、これからどれだけの人が選ぶでしょうか。
ダンサーが踊り続けられない。
指導者が、教える仕事だけでは生活できない。
才能や意欲があっても、お金がなければ学べない。
この状態で「芸術を守ろう」と言っても、やがて守る人自体がいなくなります。
芸術を守るために、ビジネスの力を使う
利益を生み出すことは、芸術を汚すことではありません。
適切な利益があるからこそ、指導者に報酬を支払い、ダンサーに舞台を用意し、次の世代に学ぶ機会をつくることができます。
ビジネスは芸術の反対側にあるものではなく、芸術と、そこに関わる人を守るための手段です。
また、ビジネスの世界にも、芸術や文化に関心を持つ人はいます。
しかし、ホームページに「寄付を募集しています」と掲載するだけでは、人は動きません。
誰が、何を目指しているのか。
バレエが社会にどのような価値を生み出しているのか。
支援によって、誰にどのような機会が生まれるのか。
まずはそれを知ってもらい、応援したいと思ってもらえる関係をつくる必要があります。
私は、バレエの世界だけに閉じこもるのではなく、業界を越えたつながりを増やしていきたいと考えています。
ジェイ・エイブラハム氏を日本に招きます
その一つのきっかけとして、2026年9月14日・15日に、ジェイ・エイブラハム氏を日本に招いたビジネスイベントを開催します。
日本では、ジェイの名前を知らない人も多いと思います。
ジェイは、企業がすでに持っている価値や、まだ活用できていない可能性を見つけ、事業の成長につなげてきたアメリカTOP5にも選ばれた経営・マーケティング戦略家です。
海外の講演者紹介では、ジェイの顧客や講演先として、Microsoft、FedEx、General Electricなど、日本でも知られている世界的企業の名前が挙げられています。
私自身も、大人バレエアカデミー™をつくる前に、ジェイのマーケティングを実践していた方から、その考え方を学びました。
自分たちが持っている価値は何か。
その価値を必要としている人に、どのように届けるのか。
相手との長期的な関係を、どうつくるのか。
そこで学んだことをスタジオ運営に取り入れてきたことが、大人バレエアカデミー™をここまで成長させる大きな力になりました。
今回のイベントでは、私自身も登壇します。
以前は間接的に学ぶ立場だったジェイと直接会い、その学びを使ってどのような事業をつくってきたのかを報告できることには、感慨深いものがあります。
しかし、私の目的は、自分の成果を報告することだけではありません。
この機会を通して、バレエ界の外にいる人たちにバレエの価値を知ってもらい、新しい関係をつくっていきたいと考えています。
バレエから受けた恩を、仕組みにして返す
私は、バレエから多くの機会をもらいました。
今度は、個人の善意だけに頼るのではなく、人を育て続けられる仕組みをつくる番だと思っています。
そのために必要であれば、私はバレエ界の外に出て、経営者や企業と関係をつくり、ビジネスの知識や資金、人とのつながりをバレエに持ち帰ります。
バレエのために人が消耗するのではなく、バレエによって人が育ち、その人がまた次の人を育てられる業界に変えていく。
今回のイベントを、そのための一歩にします。
イベントの詳細は、専用ページが完成次第、改めてお知らせします。
私はバレエ界はもっと良く変われると信じています。




