こんにちは、大人バレエアカデミー™、バレエトレーニングディレクターの猪野です。
上達する瞬間が一番楽しい
大人バレエアカデミー™では上達する瞬間こそが一番面白い、楽しい
という価値観の元、
そのためには基礎をしっかりさせないと話にならないよね
ということで基礎しかやらないバレエスタジオという方針で運営しております。
もちろん中級クラスとかもあるので、そうなるともうかなり難しいのですが、
体験で受けたいという方などはお断りしております。
前にやってみたのですが、過去に全員一人として基礎がきちんとできている人がいなかったので
スタジオの内部でクラスを上げるための基準を設けて、それをクリアしたら挑戦
という形になっています。
今回はなぜ一見面倒なことをやっているのかについて書いてみたいと思います。
体験で上のクラスを受けられない理由
これは別に意地悪でやっているわけではありません。
むしろ逆で、
本当にその人に上達してほしいからそうしています。
経験年数があることと、
基礎ができていることは全く別です。
年数が長い人でも、プリエの使い方が曖昧だったり、
ターンアウトを脚先だけで何とかしようとしていたり、
引き上げが曖昧なまま脚を上げようとしていたり、
回転で立つ前の準備がぐちゃぐちゃだったりします。
そうすると、本人の中では
「もう何年もやっているのに」
という気持ちがあるのですが、
実際に身体の中で起きていることを見ると、
最初の段階で整理しておかないといけないことが山ほどあるのです。
そして、そういう状態で上のクラスを受けるとどうなるかというと、
出来ないことを出来るようにしに行くのではなくて、
出来ないことを隠しながら何とかその場をやり過ごす時間になりやすいのです。
脚が上がらないなら上がらないなりにごまかす。
回れないなら回れないなりに何となく勢いで回る。
跳べないなら跳べないなりに小さく済ませる。
そうやって一回一回のレッスンを終えることは出来ます。
でも、それを何年やっても、
問題は問題のまま残ります。
むしろ下手をすると、出来ないやり方を身体が覚えます。
今の先生で上達している人は来る理由がない
あ、もちろん外部にいる人が全員基礎が出来てない、という視野の狭い話ではないです。
基礎が出来ている方は、普通に練習していれば普通に上達します。
ということは、今受講している先生がいい仕事をしているわけなので
大人バレエアカデミー™に来る理由があまりないのです。
これは本当にその通りで
今いる場所でちゃんと上達していて、
先生の説明でわかって、
自分の身体も変わってきていて、
前より回れる、前より立てる、前より動きやすい、
前より疲れにくい、前より音に入れる、
そういう状態になっているなら、
それはすでに良い環境にいるということです。
それはすごく幸運なことですし、
無理に環境を変える必要はありません。
大人バレエアカデミー™に来る方の共通点
逆に大人バレエアカデミー™に来る方は、
自分の上達に伸び悩みを感じている方と
本当に上手くなりたいという気持ちを持った初心者の方が多いです。
両方の共通点はまだ基礎がしっかりしていないということです。
なので、無理に体験レッスンで上のクラスを解放してしまうと
本当の問題はレベル1の部分にあるのに、
なまじ経験年数があるからレベル3のクラスに体験に来てしまうのです。
そうすると、いくら優秀な先生でもその人の問題を修正できないのです。
なぜかというと、
レベル3のクラスはレベル1の問題を直すための時間の流れになっていないからです。
レベル3にはレベル3で扱う内容があります。
音の取り方も速くなるし、
組み合わせも長くなるし、
求められる判断も増えるし、
単純に動きの難しさも上がります。
そこで本当はプリエや軸や足裏の使い方に問題がある人が来ても、
その人だけを止めて最初から作り直すことは出来ません。
クラスはクラスとして進んでいくからです。
だから、問題のある場所に戻るしかないのです。
これは能力の問題ではありません。
順番の問題です。
上達できる人は能力が高い人ではなくて、
順番を守れる人です。
最初にやるべきことを最初にやって、
まだ出来ていないことをごまかさずに認めて、
必要なら一段階戻る。
これが出来る人は普通に上達します。
入門からやれる人が伸びる
そこで、「私は経験者なのに入門からなんて屈辱だわ!」
って思う方は、私に言わせると一生上達することはないです。
逆に
「上達しないってことは基礎に問題があるのかも。一度最初から見直してみよう」
という謙虚な方は普通に入門クラスから受講されて、
上達のために足りないことがレッスン後にコミュニケーションも取れるので
とてもお互いにいい関係で目標に向かって歩きやすいのです。
実際、伸びる方はここが本当に素直です。
「今さら入門なんて」
ではなくて、
「今さらだからこそ入門から見直そう」
になります。
この差はとても大きいです。
バレエに限らずそうですが、
出来ないことを認められない人は、
出来るようになる入口に立てません。
自分の問題がどこにあるのかを認めるのは、
プライドが傷つく感じがするかもしれません。
でも、そのプライドが上達を止めていることも多いのです。
大人の習い事で難しいのはここです。
子どもなら先生に言われた通りに最初からやる、が比較的しやすいです。
でも大人は、
年齢も経験も社会的立場もあるので、
自分の中にすでに物差しがあります。
その物差しが役に立つこともありますが、
バレエの上達に関しては邪魔をすることもあります。
「これくらい出来ているはず」
「私はこのくらいのレベルの人間だ」
「入門に行くのは恥ずかしい」
こういう考えが入ると、
身体を変えるチャンスを自分で潰します。
まずは自分の問題を整理する
さて、前提が長くなりましたが、皆さんはバレエの上達というところで
問題を感じていますでしょうか?
ここをまずは考えるというのはとても大事なことです。
どんな問題があるでしょうか?
プリエ?ターンアウト?きれいに脚が上がらない?飛べない?回れない?
こういう質問をすると、いっぱい有りすぎてわからない
みたいに言われることが多いのですが
整理されてない問題って、人生が解決したことありましたか?
いっぱいありすぎるって、自分の感想でしかないのはわかりますか?
悩みが25個あるとしたら、それは事実じゃないですか。
人間の脳は3つ、4つある悩みを同時に処理できる能力がないので、
悩みが4つくらいあれば、感情的にいっぱいありすぎてわからない、となります。
でも紙に書き出して客観的に見てみると、意外とそんなに数はない場合が多くて
まずは、みなさん自分のバレエの悩みが何なのかを紙なりメモなりに書き出してみてください。
ここで大事なのは、
ふわっと書かないことです。
例えば
「バレエが下手」
これは悩みのようでいて、悩みではありません。
ただの感想です。
「回転で軸がずれる」
「シングルは回れるけどダブルになると降りる」
「プリエでかかとに乗る」
「アラベスクで骨盤が開く」
「ルルベで小指側に流れる」
こういう形で書いた時に初めて、
問題として扱えるようになります。
問題として扱えるようになると、
何を練習すればいいかが見えてきます。
でも、問題を
「なんか全部ダメ」
のままにしておくと、
練習も
「なんか頑張る」
になります。
これでは変わりません。
自分の悩みを言葉にするというのは、
大げさでも何でもなく、
上達のスタートです。
その悩み、どのくらい放置していますか
その書き出した悩みってどのくらい放置しているでしょうか?
例えば回れるの苦手だなーと思って、どのくらい経ちますか?
3か月?半年?1年?2年?
どんな時間が経っているでしょうか?
ここは結構怖いところで、
大人の方は時間の感覚があっという間なので、
気付くと何年も同じことで悩んでいます。
去年も一昨年も
「回れない」
「脚が上がらない」
「体幹が弱い気がする」
「ターンアウトが苦手」
と言っていることがあります。
でも、その間に何か具体的な対策をしたかというと、
案外していないのです。
レッスンには通っている。
一応真面目に受けている。
でも悩みに対して手を打ってはいない。
これは本当に多いです。
レッスンに行くことと、
悩みを解決することは同じではありません。
ここを分けて考えないといけません。
毎週ちゃんと通っているのに変わらない、という方は、
だいたいここが混ざっています。
レッスンを受けること自体は大事です。
でも、悩みを解決するには、
悩みに向けた練習が必要です。
当たり前の話なのですが、
これが出来ていないことが多いのです。
その時に動いていたら、今どうなっていたか
それでもし、その時に行動していたらどうなっていたでしょうか
例えば回れないということであれば、圧倒的に回ることに慣れる訓練が不足しています。
であるならば、回転の基礎訓練を悩みが出た瞬間からやって
目が全然回らない、
回転に失敗したとしてもそれがなぜなのかを感知できるようになってる
回転そのものが全然苦ではない状態になっている
という状態は作れたはずです。
どうでしょうか、今の自分の悩みを本気で解決しようとしたら
意外と出来ていたのではないでしょうか
さて、しっかりやっていたらどうなっていたでしょうか
例えば回転なら、
スポットを取る練習を毎日少しずつやる。
ルルベで止まる練習をする。
4番から立つ練習をする。
パッセで静止する。
半回転だけ丁寧にやる。
8分の1回転、4分の1回転、半回転と細かく分ける。
こういうことを3か月、半年、1年やっていたら、
今と同じままのはずがないのです。
脚が上がらないなら、
脚を上げること以前に、
立脚で立てているのか。
骨盤が保てているのか。
体幹が抜けていないか。
股関節の前で詰まっていないか。
上げる高さばかり追いかけて、
支える側が何も育っていないということが本当に多いです。
でもそこを最初にやっていれば、
少なくとも今よりは整理されていたはずです。
飛べないも同じです。
ジャンプは根性ではありません。
プリエの質、足裏の使い方、押す方向、着地の受け止め方、
全部に基礎があります。
それを飛べないまま何年も飛んでいれば、
飛べないやり方が上手くなるだけです。
だから、問題が出た瞬間に基礎に戻ることが必要なのです。
上達しないまま続ける損失
さてその上でその悩みを解決しないまま練習を続けるのはどのくらいの損失でしょうか
例えば、1レッスン3000円として、週3回レッスンを受けているとすると
1年は約48週あるので48×3で144回レッスンを受けます。
そこに3000円を払うので43万2000円を支払います。
その中でメインのコンテンツになりやすい回転が全然上達しないとなると
その中の1000円分くらいは無駄にしていることになるので
1年にレッスンをするだけで14万4000円くらいを無駄にしていることになります。
これが2年3年と解決していないなら、その分がそのまま金額に掛け算されることになります。
もちろんこれはざっくりした例です。
でも、感覚としてはそんなにズレていません。
上達しないままレッスンを受け続けるというのは、
時間の損失だけではなくて、
普通にお金の損失でもあります。
ここをあまり考えない方が多いのですが、
私は結構大事だと思っています。
なぜなら、大人にとって時間もお金も有限だからです。
仕事もある。
家のこともある。
体力も無限ではない。
その中でわざわざレッスンに来ているわけです。
だったら、その時間とお金はちゃんと上達につながった方がいいに決まっています。
なのに、
「何となく今日も受けた」
「何となく楽しかった」
だけで終わってしまうなら、
それは少しもったいないのです。
さらに問題なのが、これを解決しないまま練習を続けると
この損失は未来永劫続きます。
今日解決しなかった問題は、
来月も残ります。
今年解決しなかった問題は、
来年も残ります。
そして、問題が残ったまま次の課題に進むと、
新しい問題まで増えます。
例えば軸がないまま回転をやると回れないだけではなく、
首だけでスポットを取ろうとしたり、
腕で無理やり勢いを作ったり、
降りた時にぐらついたりして、
別の癖まで増えます。
そうすると、後から直すコストはさらに大きくなります。
なぜオープンクラスが嫌いなのか
これが私がオープンクラスとか、ただ楽しく踊ることを目的にするレッスンを嫌う理由です。
上達をさせたバレエを続けた方が絶対に楽しいし、
レッスンを受けるということだけで無駄になる損失が発生するというのもないのです。
それで、楽しくやっていて、いざ真面目にやろうとすると
大抵は変な癖がついていて直すのにまた大きなコストがかかります。
ここで誤解してほしくないのは、
私は楽しさを否定しているわけではないということです。
楽しさを感じる考え方が違うだけです。
私は、上達する瞬間こそが一番面白い、楽しい
と思っています。
出来なかったことが出来るようになる。
わからなかったことがわかる。
前より立てる。
前より音に遅れない。
前より形が崩れない。
この楽しさは本当に大きいです。
そしてこれは、基礎をやらないと手に入りません。
何となく踊って、その場は気分が良い。
もちろんそういう時間もあるでしょう。
でも、それだけだと長く続けた時に苦しくなります。
なぜかというと、
自分の中で本当はわかっているからです。
「私、ずっと同じことをやっているな」
「前とあまり変わっていないな」
「何年もやっているのに、これでいいのかな」
そういう違和感は消えません。
だから私は、
ただその場で楽しいだけのレッスンより、
ちゃんと上達するレッスンの方が優しいと思っています。
一見厳しく見えても、
本当はその方が親切です。
問題を問題として扱う。
出来ないことを出来ないと言う。
その上で、どうしたら出来るようになるかを積み上げる。
これをやる方が、よほど誠実だと思っています。
基礎からやれば、最後に一番楽しめる
でも基礎からバレエをしっかり学べば、ゆっくりだとしても上達はしますし
レッスンにかけたお金に対して、しっかりと価値を受け取ることができるし
最終的に一番バレエが楽しめる体が手に入ります。
ここでいう楽しめる体というのは、
何となく元気に動ける体ではありません。
自分でコントロールできる体です。
ここで立てる。
ここで押せる。
ここで引き上げる。
ここで回れる。
ここで止まれる。
そういう感覚が少しずつ増えていく体です。
バレエが楽しいかどうかは、
結局ここにかなり左右されます。
身体が言うことを聞かないままでは、
いつまで経ってもしんどいです。
見よう見まねでやって、
毎回うまくいくかどうかが運任せ。
たまたま上手くいった日は楽しいけど、
次の日はまたダメ。
これでは安定しません。
でも基礎があると、
うまくいく確率が上がります。
再現性が上がります。
するとレッスンが面白くなります。
舞台も面白くなります。
練習そのものに意味が出てきます。
どちらのバレエを選ぶのか
さて、皆さんはどちらを選択されるでしょうか?
とりあえず、今が楽しければそれでいいバレエレッスンなのか
基礎から積み上げて、自分の思い描くバレエに近づくのか
是非、この機会に考えてみてはいかがでしょうか。
私は、大人の方こそ後者を選んだ方がいいと思っています。
子どもなら時間があります。
何となくやっていても、
途中で修正できることがあります。
でも大人はそうではありません。
限られた時間の中でやるなら、
最初から順番よく積み上げた方がいいです。
その方が遠回りに見えて、実は一番早いです。
そしてもう一つ大事なのは、
基礎をやるということは、
簡単なことだけをやるという意味ではないということです。
基礎は地味です。
でも簡単ではありません。
むしろ難しいです。
プリエひとつとっても難しい。
立つだけでも難しい。
5番に入れるだけでも難しい。
でも、その難しいことを曖昧にせずにやるからこそ、
後で大きなことが出来るようになります。
バレエは見た目が華やかなので、
どうしても難しい技や派手なことに意識が向きやすいです。
でも、実際に踊りを支えているのは基礎です。
土台が弱ければ、その上に何を乗せても崩れます。
だから、見えやすい成果ばかり追わずに、
最初の部分をきちんとやる必要があります。
大人バレエアカデミー™が大事にしていること
大人バレエアカデミー™は本当に上手くなりたい、
という方の想いに応えるために作ったスタジオです。
その為に基礎をメインとすることを重要視しています。
これは単なる方針ではなくて、
スタジオの約束だと思っています。
基礎を曖昧にしない。
上達を曖昧にしない。
わかったつもりで終わらせない。
その場しのぎでごまかさない。
そういう積み重ねを大事にしています。
自由が丘スタジオオープン
おかげさまで多くの方に支持されて、
来月5月1日に自由が丘スタジオがオープンすることになりました。
本当にありがたいことです。
でも、スタジオが増えることそのものが目的ではありません。
大事なのは、
上達したいと思っている大人の方が、
ちゃんと基礎から学べる場所を増やすことです。
楽しいだけで終わらない。
ただ汗をかいて終わらない。
ちゃんと自分の踊りを変えていける場所を作る。
そのためにスタジオを運営しています。
最後に
何となく楽しければいい方には、全く向かないスタジオですが
本当に基礎から上手くなりたい方には
誠意をもって応えられるスタジオだと考えております。
是非一度、体験レッスンにお越しください。
お待ちしております。




