こんにちは、大人バレエアカデミー™、バレエトレーニングディレクターの猪野です。

大人バレエアカデミー™では、入門クラスから入門初級クラスへ進む際に、一定の基準を設けています。

これは、生徒さんを厳しく分けるためではありません。

安全にレッスンを受け、基礎を崩さず、次の段階で必要な内容をきちんと学べるようにするためです。

自分に合わないクラスに来てしまうことは、お互いに不幸でしかありません。

そして、レベルが上がるためには何をすればいいのかがわかっている方が、

モチベーションも維持しやすいのです。

 

バレエは、見た目以上に細かい身体のコントロールが必要です。

膝の伸ばし方、足の出し方、ターンアウト、腕の形、プリエの使い方、ルルベの安定、ジャンプの着地。

一つひとつは小さなことに見えますが、これらが曖昧なまま動きだけ増やしていくと、上達しにくくなります。

頑張っているのに形が安定しない。

先生に何度も同じ注意をされる。

難しい動きになると身体がついてこない。

こうしたことは、才能の問題ではなく、前の段階で必要な準備が整理されていないことが原因で起こる場合があります。

そして、残念なことに先生からそもそも教わっていないということもよく起こります。

だからこそ、大人バレエアカデミー™では、感覚だけでクラスを上げるのではなく、入門初級を受講するための目安を明確にしています。

 

ちなみに入門に受講基準はありません。全ての方に開かれているのが入門になります。

今回はその次のレベルのお話になります。

入門初級は、入門の延長。ではない。

入門初級は、入門クラスの次の段階です。

ただし、「少し慣れてきたから、なんとなく上がるクラス」ではありません。

入門で学んだ基礎を使いながら、よりバレエらしい動きに進んでいくクラスです。

そのためには、最低限の身体の使い方、動きの名称、バーでの基本動作、ジャンプやルルベに必要な筋力とコントロールが必要になります。

たとえば、膝を伸ばすという動作があります。

バレエでは膝を伸ばすことが大切ですが、膝を後ろに押し込めばよいわけではありません。

関節に寄りかかって形を作るのではなく、脚全体を長く使い、床を押しながら立つ必要があります。

この床を押すというのが、バレエの教えは感覚的でわかりにくいのが多いのです。

簡単に言えば、骨が一番効率よく並んで体を支えることになります。

故にできると一番楽なので無意味な頑張りが減ります。

ここが曖昧なままジャンプや片足での動きが増えると、膝や足首に負担がかかりやすくなります。

 

また、足を横に出すタンデュも同じです。

「横に出しているつもり」でも、足裏が内側や外側に倒れていたり、つま先の方向に対して真っ直ぐ出せていなかったりすると(出す方向がレベルで変えています)、その後のデガジェ、ロン・ド・ジャンブ、フラッペ、グラン・バットマンにも影響します。

入門初級で扱う動きは、入門で学ぶ基礎の上に成り立っています。

だから、入門の段階で確認すべきことを飛ばさないようにしています。

入門初級を受講するための基準

大人バレエアカデミー™では、入門初級を受講するための目安として、次のような基準を設けています。

・膝を真っ直ぐに伸ばして使うことができる
※膝を押し込むことではありません。

・アロンジェとアロンディの概念を理解している

・第1ポール・ド・ブラ、第2ポール・ド・ブラができる

・前、横、後ろの足を出す位置を知っている

・横は、つま先の方向に対して真っ直ぐにタンデュが出せる
※足裏が内側や外側に倒れていないこと。

・足の出し方、ターンアウトについて理解している

・脚を45度に上げることができる

・ロン・ド・ジャンブ・ア・テールで、骨盤をできるだけ動かさないように行う意識を保てる

・フォンデュ、フラッペ、ルルベ・ラン、ルティレ、グラン・バットマンなどの基本動作を知っている

・1番、2番、片足ジャンプが16回ずつできる
※ダブルプリエにならず、プリエをコントロールできること。

・スーブルソーを跳べると好ましい

・その場で10回くらい回ることができる

・両手バーで両脚のルルベ、つまりカーフレイズが16回できる
※ルルベしたときに足指を伸ばせていること。

これらは、完璧にできることを求める基準ではありません。

入門初級のレッスンを受けたときに、内容についていきながら、自分の身体の使い方にも意識を向けられるかどうかを見るための目安です。

「知っていること」と「できること」は分けて考えます

入門初級に進むための基準には、身体でできる必要があるものと、まず理解しておく必要があるものがあります。

たとえば、膝を伸ばして使うこと、45度に脚を上げること、ジャンプを16回行うこと、ルルベを16回行うことは、身体の準備を見る項目です。

一方で、フォンデュ、フラッペ、ルティレ、グラン・バットマンなどは、最初から高い完成度で行う必要はありません。

ただし、名前を聞いたときに、何をする動きなのか分かることは必要です。

入門初級では、入門よりもレッスン中に出てくる動きが増えます。

 

知らない動きが多すぎると、身体の使い方を考える前に、順番を追うだけで精一杯になります。

そうなると、膝、足裏、骨盤、腕、プリエなど、本来意識したい部分まで注意が届きません。

だから、入門クラスでは基本動作を少しずつ覚え、次のクラスで使える状態にしていきます。

タンデュは、すべての動きの土台になります

入門初級に進むうえで、足を前、横、後ろに出す位置を知っていることはとても重要です。

特に横のタンデュは、大人バレエで崩れやすい部分です。

脚を横に出そうとしているのに、実際には足先だけが横に流れていたり、足裏が倒れていたり、骨盤がついていってしまったりすることがあります。

タンデュは、単なる準備運動ではありません。

足をどの方向に出すのか。

床をどう押すのか。

つま先をどう伸ばすのか。

軸足でどう立つのか。

こうした要素がすべて入っています。

ここが整理されると、その後の動きが安定しやすくなります。

逆に、タンデュの方向や足裏の使い方が曖昧なまま進むと、動きが大きくなったときに癖も大きく出ます。

そのため、入門初級に上がる前に、タンデュの出し方は必ず確認しておきたい基礎の一つです。

腕の使い方も、脚の動きに関係します

バレエでは、脚だけを練習していればよいわけではありません。

アロンジェとアロンディの違いを理解していること。

第1ポール・ド・ブラ、第2ポール・ド・ブラができること。

これらも入門初級の基準に入れています。

腕は、見た目を整えるためだけのものではありません。

肩、背中、肘、手首、指先までをつなげて使うことで、上半身の安定に関わります。

腕が固まると、首や肩に余計な力が入りやすくなります。

腕が抜けると、姿勢全体が崩れます。

入門初級では、脚の動きと腕の動きが同時に出てくる場面が増えます。

だからこそ、入門の段階で基本的なポール・ド・ブラを理解しておく必要があります。

 

良く勘違いされるのが、第1ポールドブラと第2ポールドブラを

1番ポジションと2番ポジションの混同です。

ここがよくわからない方は、入門を受講してください。

 

45度に脚を上げる力は、形だけの問題ではありません

脚を45度に上げることも、入門初級に進むための目安にしています。

これは、高く脚を上げることを目的にしているわけではありません。

45度まで脚を上げるには、軸足で立つ力、骨盤を保つ力、股関節まわりをコントロールする力が必要になります。

脚を上げるときに上半身が傾く。

骨盤が大きく動く。

軸足が潰れる。

こうした状態のまま難しい動きに進むと、動きの正確さが失われやすくなります。

もちろん、最初から完璧にできる必要はありません。

大切なのは、脚を上げるときに身体全体が崩れないように意識できることです。

 

身体を柔らかくして脚を高く上げることばかりに意識が行きがちですが、

あくまでもきれいに上げられた先に高さがあるだけなので、忘れないようにしましょう。

ロン・ド・ジャンブは、骨盤のコントロールを見る動きです

ロン・ド・ジャンブ・ア・テールでは、脚を回すことに意識が向きやすくなります。

しかし、入門初級に進むうえで大切なのは、脚を大きく回すことだけではありません。

骨盤をできるだけ動かさないように行う意識を持てているか。

股関節から脚を動かそうとしているか。

軸足で立ち続けられているか。

ここを確認します。

骨盤ごと動かしてしまえば、脚は大きく動いたように見えます。

しかし、それでは股関節の動きではなく、身体全体で形を作っているだけになってしまいます。

バレエでは、動いている脚だけでなく、動かない部分をどう保つかも大切です。

この意識があることで、入門初級の動きが学びやすくなります。

 

脚をただ振り回せばいいだけの動きと思っている方は本当に多いので、

動きに目的をしっかりと考えてみてください。

ジャンプの基準は、回数よりもコントロールです

1番、2番、片足ジャンプを16回ずつできること。

この基準は、体力や根性を見るためのものではありません。

ジャンプでは、プリエの使い方がはっきり出ます。

深く沈みすぎていないか。

ダブルプリエになっていないか。

着地で潰れていないか。

膝とつま先の方向が大きくずれていないか。

床を押して跳び、床を使って降りられているか。

こうした点を確認するために、一定回数のジャンプを目安にしています。

大人の場合、ジャンプを無理に行うと膝や足首に負担がかかります。

だからこそ、ただ跳べるかどうかではなく、同じ動きを安定して繰り返せるかを見ています。

スーブルソーも同じです。

両脚をまとめる力、身体を引き上げる力、空中で姿勢を保つ力が必要になるため、できると入門初級に進む準備として望ましい動きです。

 

ちなみにバレエに必要な最低限のジャンプ力は

片足で自分の足のサイズ分を飛べることです。

これができないとポアントでのレッスンが成り立たないので、この筋力は最低限欲しいです。

ルルベは、足指と足首の使い方を確認します

両手バーで両脚のルルベを16回行うことも、入門初級に進むための基準です。

ここで大切なのは、高く上がることではありません。

ルルベしたときに足指を丸めていないか。

足首が内側や外側に倒れていないか。

床を押して上がれているか。

降りるときにコントロールできているか。

これらを確認します。

ルルベは、片足で立つ準備にもなります。

回転の準備にもなります。

ポアントに進む前の基礎にもなります。

足指を丸めて上がる癖や、足首を倒してしまう癖があると、後の動きに影響します。

そのため、入門の段階から丁寧に練習しておく必要があります。

回る練習は、ピルエットの前段階です

その場で10回くらい回ることができることも、入門初級に進む目安にしています。

ここで求めているのは、美しいピルエットではありません。

回る感覚に慣れているか。

目が回る動きに対して、必要以上に怖がらずに動けるか。

方向感覚を保とうとする意識があるか。

バレエでは、回転系の動きが少しずつ増えていきます。

いきなりピルエットを練習するのではなく、まず回ること自体に慣れる必要があります。

その準備があることで、次の段階の回転練習に入りやすくなります。

 

人生の中で回転するというのをやっている人は稀なので、

ピルエットなどが苦手な人が多い理由が

そもそも回転に慣れていないというのがあります。

その最低限の素養がないと

それをきれいにバレエとして回るというのも、また難しいのです。

基準があることで、レッスンの目的が明確になります

クラスを上げる基準が曖昧だと、生徒さんも先生も判断に迷います。

「そろそろ上のクラスに行ってよいのか」

「まだ入門で練習した方がよいのか」

「何ができれば次に進めるのか」

これが分からないと、周りの人と比べたり、なんとなくの感覚で決めたりしやすくなります。

しかし、バレエの上達は、人と比べて決めるものではありません。

今の自分に必要な練習を行い、次の段階に必要な準備を整えることが大切です。

基準があることで、練習の方向が明確になります。

先生側も、感覚だけではなく、共通の目安を持って指導できます。

これは、大人バレエアカデミー™がクラスを運営するうえで、とても大切にしている部分です。

 

スタジオ内で定期的なすり合わせも先生間で行っています。

上のクラスに行くことより、上がった後に学べることが大切です

入門初級に上がること自体が目的ではありません。

大切なのは、入門初級に上がった後、そのクラスで扱う内容をきちんと吸収できることです。

基礎が曖昧なまま上がると、順番を覚えることや動きについていくことに意識を取られてしまいます。

そうなると、本来確認すべき膝、足裏、骨盤、腕、プリエ、ルルベなどの基礎が置き去りになります。

一方で、入門の段階で必要な準備をしておくと、入門初級に進んだときに、先生の説明を身体で理解しやすくなります。

同じ注意を受けても、何を直せばよいのかが分かりやすくなります。

だから、大人バレエアカデミー™では、焦ってクラスを上げることよりも、上がった先でしっかり学べる状態を作ることを重視しています。

無理やり上がっても踊りのレベルは上がらないと考えてください。

大人バレエアカデミー™のクラス運営方針

大人バレエアカデミー™は、大人の方が安全に、納得しながら、長くバレエを学べる教室でありたいと考えています。

そのためには、クラスごとの役割を明確にする必要があります。

入門クラスでは、バレエの基本的な身体の使い方を学ぶ。

入門初級では、その基礎を使って、よりバレエらしい動きに進む。

 

他のダンスの為の基礎としてやられている方も沢山いらっしゃいます。

そういう場合は、入門初級に上がらないことを選択する方もいます。

 

自分の欲しいものを明確にし

クラスレベルの段階を曖昧にしないことが、上達のためにも、安全のためにも大切です。

入門初級に上がる基準を設けているのは、できる人だけを先に進めるためではありません。

何を練習すればよいのかを明確にし、無理なく次の段階へ進めるようにするためです。

なんとなく難しいことをやる。

なんとなく上のクラスに進む。

なんとなく踊った気分になる。

そうではなく、必要な基礎を確認し、段階を踏んで、次のクラスで学べる準備を整える。

大人バレエアカデミー™では、この考え方を大切にしながらクラスを運営しています。

入門で学ぶことは、決して遠回りではありません。

膝を伸ばすこと。

足を正しい方向に出すこと。

ターンアウトを理解すること。

ポール・ド・ブラを覚えること。

プリエをコントロールすること。

ルルベで足指を伸ばすこと。

こうした基礎の積み重ねが、入門初級、その先のクラス、そして長くバレエを続けていくための土台になります。

大人から始めるバレエだからこそ、段階を大切にする。

そのために、大人バレエアカデミー™では、入門初級に上がるための基準を明確にしています。

 

是非、上達を基礎から感じていきたいという方は一度体験レッスンにお越しください。

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