こんにちは、大人バレエアカデミーの猪野です。
大人の上達を応援したいという想いで作った
大阪の梅田スタジオがオープン致しました!
現在20名ほどの方に体験予約をいただいている状況です。
ありがとうございます。クラスも増やしていきますのでぜひチェックしてください。
さて、
バレエダンサーは幼少期から高度な技術を追求し、
自分の踊りたいという欲求を満たすために人生を捧げています。
しかし、その裏で、多くのダンサーがバレエ以外の社会での「生きる力」を持たず、
苦労する現状があります。
それが大人バレエアカデミーを作った理由の一つでもあるのですが
今回は、その原因と背景について考えてみます。
バレエダンサーの現状と課題
専門性の偏り バレエは極めて高度なスキルを要する専門職ですが、
そのスキルは他分野での「お金を稼ぐ力」と直結しにくいことがあります。
幼少期からレッスン漬けの生活を送り、
バレエ以外のスキルや学問を学ぶ時間が十分に取れないことが主な原因です。
その結果、以下のような状況が生まれます:
一般的な仕事に必要なPCスキルやコミュニケーション能力の不足
自己PRや柔軟な適応能力の欠如
バレエ界の間違った常識の植え付け
社会的な孤立感
一般的なキャリアパスや学校教育を十分に経験していないため、
同年代の人々との接点が限られ、社会的なつながりを持ちにくくなります。
また、バレエ以外の人々と接する際に、
自分の経験を共有したり活かしたりする場が少ないため、
社会が求める人材になりにくい傾向があります。
引退後の不安
バレエは体力と健康に依存する職業であり、
20代後半から30代半ばで引退を迎えることが一般的です。
しかし、多くのダンサーは引退後の具体的なキャリアプランを持たず、
経済的な安定や再就職で苦労するケースが少なくありません。
しかも貯金はほぼゼロで新しいことの為に勉強した経験もありません。
なぜ「バレエの外の社会で生きていけない」のか?
これらの課題が絡み合い、結果としてバレエの外の社会で成功する難しさが際立ちます。
この状況には以下の要因が影響しています:
教育の欠如 幼少期からバレエ一筋で過ごすため、
一般教育や専門知識の習得が後回しになります。
ITスキルといった現代社会で必須とされる能力が不足しがちです。
さらに、バレエ団からすれば団費さえ払ってもらえればいても居なくても
ダンサーの価値は変わらないので団員としてのステータスは維持してくれますが、
それでお客様扱いされたダンサーは社会で使い物にならなくなります。
遅刻をしても許される状況が普通になるためです。
遅刻をしたら社会人としては失格であることすら教えてもらえないのです。
閉鎖的な環境
バレエ団やダンススクールの中だけで生活が完結してしまい、
多様な価値観や経験に触れる機会が少ないのが実情です。
そのため、一般社会のルールやマナーを学ぶ機会を逃すことがあります。
キャリア形成の不備
「ダンサー以外の職業は考えられない」という強い思い込みや、
自分に他の価値があると信じられない自己認識が壁となり、
新しいキャリアに挑戦しづらい現状があります。
結果として、いよいよ後がなくなったときには
既に社会から相手にされない人材になっていたりします。
結論
「社会で生きていけない」という課題は、バレエダンサー個人だけでなく、
バレエという分野全体の構造的な問題でもあります。
でもプロを育成するバレエスタジオも、それを受け入れるバレエ団も
ダンサーのセカンドキャリアなど知ったことではありません。
バレエに浸かっているだけでは多くの場合に
社会で生きていけるようにはならないという現実を受け止め、
バレエ以外で生きていくための勉強の重要性を再認識しなければなりません。
バレエを志すのであれば、踊る以外の能力をどれだけ準備しておけるかが
踊り終わった後のさらに長い人生を乗り越える鍵です。