読んでない方は前編をどうぞ

 

私は

「これではバレエの世界は良くならないな」と思いました。

 

その理由は

一般の人にとってダンサーの質の違いなんて

ほとんどわからないからです。

(バレエの人間も本当は分かってないけどね)

だからそこに大した価値なんてないのです。

分かるのは玄人だけです。(本当のバレエマスターとか)

 

熊川哲也のようにCMに出ていたり、

一般メディアであれだけ有名なら一般で見に来る人もいます。

でもそれは非常に特殊な例です。現状では。

 

仮にダンサーの質を上げたところで

バレエ団に入るための椅子の数は変わりません。

 

例えば、

プロバレリーナになるための椅子が世界に10個あるとして、

それを2000人で奪い合うのが今のバレエ界です。

 

競争があるのはどのプロの世界も同じなので、

それはいいのです。(普通です)

ただし、どんなにバレリーナの質が上昇しても

世界にある椅子は10個だけなので、

座れずに涙を飲むダンサーの数は変わりません。

 

それどころかダンサーの質を上げて

怪我を減らすためにみんなが頑張るので

(理想の世界では)怪我をするダンサーがいなくなります。

故に急な怪我でのトラブルで代役をもらった逆転ストーリーなども無くなります。

ただただ選ばれた人間だけがプロになり、

プロの舞台を踏めるダンサーの総数は

質が低く怪我が多かった時代よりも少なくなります。

 

つまり、ダンサーの質をただ上げる為にみんなが頑張ると、

中途半端に成長したダンサーが

プロになれずに溢れかえることになります。

(みんなその後、どうするのだろう?)

 

それがダンサーにとって幸せな世界だと

私にはどうしても思えないのです。

 

 

そこで、私がやりたいことの一つは

バレエの世界に椅子の数を増やすこと、なんです。

でも、これだけでは足りません。

 

もう一つやらないといけないのは、

ンサーの収入を何とかすることです。

皆さんは日本のダンサーの絶望的な年収をご存じですか?

芸術家のくすり箱の調査によると

年収100万円以下が52%、

年収100万円以上300万円以下が37%、

500万円以上は全体の5%となっています。

年収100万円以下が半分以上もいて

年収300万円以下までが89%を占めるのが

職業バレエダンサーなんです。

 

フェラーリを買えるような金額を

バレエ教育にぶち込んで得られる収入が

上手くいっても50%の確率で100万円以下って

職業として成り立ってません。

(株で大損してもここまでの負けは中々ない)

 

繰り返しますが、

これはオーディションを勝ち抜いて選ばれた人間の年収です。

そんな現状で

「親がバレリーナになる夢を賛成してくれません!」

って言われても、

この数字をみればそんなの当たり前です。

親としては

「お前はいつまで親の脛をかじるつもりなんだ?」

と言いたくもなるでしょう。

 

なぜこんなことになるかわかりますか?

答えは前に書いた通り、

「一般人は誰もバレエなんか観たいと思ってない」からです。

観る人が少なければ公演からの売り上げはありません。

残念ながら観に来る人間は同じバレエの人間。

後にチケットを買ってもらった借りを返すために

将来自分もチケットを買って

知り合いを観に行かないといけません。

 

そして、一般の人はバレエに興味がない。

外からほとんどお金が入ってきません。

だから年収がこの程度になってしまうのです。

 

後編につづく

 

 

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