こんにちは、大人バレエアカデミー™、

バレエトレーニングディレクターの猪野です。

 

踊っていると床を押したいのに、指が丸まってしまう。

上手く床を押せない、ということはありませんか?

 

この時に勘違いしやすいのですが、
足指は、サボっているわけでも、根性が足りないわけでもありません。
体のどこかで起きたズレを、最後に足先がかぶっているだけなんです

 

だから、足指だけ気を付けても解決しない場合が多いですが、
何を直すべきかをはっきりさせると上手くいきやすいです。

足部には大きく2つの役割があります。
足の中の小さい筋が「土台の微調整」、すね・ふくらはぎ由来の筋が「出力担当」。

この分担が崩れると、つま先立ちで姿勢の揺れが増え、指で持たせにいく反応が出やすくなります。バレエダンサーのつま先立ちで、足底内在筋活動と姿勢動揺の関連が報告されています。 (PubMed)

デミポワントでも同じで、
足先の制御が乱れると末端の代償が起きやすいことが示唆されています。 (PubMed)

踊りで多い原因は、多くがこの5つです。

  1. 前に流れた体を、指で止めている
    体幹・骨盤・股関節の制御が遅れると、指は「長く置く」ではなく「握ってブレーキ」になりやすいです。
    ここは臨床的な推論ですが、再現性は高いです。

  2. ふくらはぎ疲労で、足先の微調整が荒くなる
    底屈筋の局所疲労で姿勢制御が低下する報告があります。後半だけ崩れる人は、まずここを疑います。 (PubMed)

  3. 母趾で押し切る癖が強い
    ダンサーは趾屈筋、とくにFHL(長母趾屈筋)周辺への依存が高い傾向があり、使い方が偏ると丸まりの固定化につながります。 (PubMed)

  4. シューズ環境が合っていない
    つま先が狭い靴・合わない靴は、趾変形リスクを上げます。練習内容以前に、ここで詰まる人は多いです。 (Mayo Clinic)

  5. 「高さ先行」で運動学習している
    デミポワントやルルヴェで高さを急ぐと、末端過緊張が出やすい。
    順番は、土台→軸→高さ。これが崩れると指が犠牲になります。

 

レッスンの前、レッスン中、レッスン後で気を付けられることを挙げてみます

 

レッスン前(3〜5分)

・ショートフット 5回×10秒
母趾球・小趾球・踵の3点は残す。
指先は握らない。指を長く置く。
内在筋トレーニングは、足部機能と動的バランス改善に有効性が示されています。 (PLOS)

・片脚デミポワント準備 6回
上がる2秒、下ろす3秒。
高さより、指が静かなまま終われるか。

・呼吸 1分
吐いて肋骨の前突を落とす。
体幹が静かになると、足先の過活動は減ります。
ここは運動制御上の推論ですが、現場では即効性が出やすいです。

レッスン中

・合言葉は「押す」より「ただ乗る」
・上体を前に倒さない、後ろにもいかない
・指が丸まったら、回数を減らしてフォームを戻す
・ルルベの高さは7割でいいです。10回連続で指を静かに保つ

レッスン後

・母趾球〜足底を1〜2分リリース
・ふくらはぎを軽く伸ばす
・「何分で握り始めたか」だけメモする
こういうレッスンノートが、次回の修正速度を上げて、進歩を実感させます。

セルフチェックは、この3つをやってみてください。

・片脚デミポワント10秒で、指が丸まらない
・カーフレイズ15回で、後半も指が静か
・動画で見て、MTPだけ過伸展していない

2つできなければ、まだ高さを追う段階ではありません。
先に制御を作る。ここを飛ばすと、結局最初に戻ってやり直しです。

痛みなどの問題がある場合には、医師の診断も大切です。

・安静時痛がある
・引っかかり感、ロッキングがある
・しびれ、夜間痛、腫れが続く
・指の変形が固定してきた

この場合は、練習で押し切らないでください。大抵悪化します。
靴調整、運動療法、必要なら医療介入を早めに合わせた方が戻りは早いです。 (Mayo Clinic)

 

まだやったことがない人は次回のレッスンに、これだけで試してみてください。
ルルベが「高さ」ではなく「10回連続で指を静かにする」。

ここが通ると、軸・ターン・着地がまとめて変わります。

まずは小さく試してみてください

 

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