こんにちは、大人バレエアカデミー™、バレエトレーニングディレクターの猪野です。
1番ポジションでつま先が180度近く開いていても、ターンアウトできているとは限りません。
立っているときには足がきれいに開いて見えるのに、プリエをすると膝が内側に入る。
タンデュをすると、軸脚の膝や太ももが正面を向いてしまう。
このような場合は、ターンアウトしているのではなく、足先を外へ開いて見せているだけです。
「足を開くこと」と「ターンアウトすること」は、見た目が似ていても、身体の中で起きていることはまったく違います。
ここをよくバレエでは間違いがちになるので、ここを学んでいきましょう
足を開くとは、つま先を外へ向けること
多くの人が考える「足を開く」とは、床に置いたつま先の角度を広げることです。
足先を外側へ動かせば、見た目の角度は簡単に大きくできます。
しかし、股関節から脚の方向が変わっていなくても、膝や足首をねじれば、つま先だけを外へ向けることはできます。
そのため、つま先が大きく開いていることと、ターンアウトできていることは同じではありません。
足を開くことは、床に見えている結果です。
ターンアウトは、その形をどのように作り、動きの中で使っているかという身体の機能です。
ターンアウトとは、脚の方向を管理すること
ターンアウトとは、股関節で大腿骨を外側へ回し、その方向に膝、足首、つま先をそろえることです。
ただし、股関節を外へ回すだけでも不十分です。
骨盤を必要以上に前へ倒したり、横へ開いたりせず、足裏で床から受ける力に対して、脚の方向を維持し続ける必要があります。
つまり、ターンアウトとは、
股関節から脚の方向を作り、
骨盤を安定させ、
膝とつま先の方向をそろえ、
床を押す力の中でその関係を保つことです。
一度つま先を外へ向ければ完成する形ではありません。
プリエ、タンデュ、ルルベ、ジャンプなど、身体が動くたびに調整し続ける運動です。
立っているときだけ開いていても意味がない
例えば、1番ポジションでは足が大きく開いて見える人がいたとします。
しかし、プリエをすると膝がつま先より内側へ入る。
タンデュをすると軸脚の太ももが内側へ回る。
片脚で立つと土踏まずが潰れる。
この場合、最初に作った足の角度を、動きの中では管理できていません。
静止した状態で足が開いていても、動いた瞬間に崩れるのであれば、実際に使えるターンアウトとはいえません。
反対に、つま先の角度がそれほど大きくなくても、プリエやタンデュの中で膝とつま先の方向がそろい、足裏で床を押せているのであれば、その方が正確なターンアウトです。
無理に足を開くと、別の場所が代わりに動く
股関節から作れる角度以上につま先を開くと、身体は不足した角度を別の場所で補います。
よく起こるのは、次のような動きです。
・膝をねじって、つま先だけを外へ向ける
・土踏まずを潰し、足の内側に体重をかける
・骨盤を前へ倒して、腰を反る
・お尻を後ろへ引く
・プリエをしたときに膝が内側へ入る
見た目の角度は大きくなりますが、身体の中にはねじれが生まれます。
この状態では、安定して立つことも、床を正しく押すことも難しくなります。
ターンアウトを増やそうとしているのに、実際にはターンアウトを使いにくい身体の配置を作ってしまうのです。
足の角度を狭くした方がよい場合もある
膝が内側へ入る。
足裏が潰れる。
骨盤が動きすぎる。
このような場合は、つま先の角度を少し狭くした方がよいことがあります。
角度を狭くすると、バレエらしく見えないと感じるかもしれません。
しかし、膝とつま先の方向がそろい、足裏で床を押せるようになれば、その角度の方が現在の身体で使えるターンアウトです。
広いけれど動けない角度よりも、狭くても正確に動ける角度の方が、技術としては価値があります。
自分のターンアウトを確認する方法
1番ポジションに立ち、ゆっくりプリエをしてみてください。
確認するのは、つま先が何度開いているかではありません。
・膝とつま先が同じ方向を向いているか
・土踏まずが潰れていないか
・足裏全体で床を押せているか
・腰を反ったり、お尻を引いたりしていないか
・曲げた後に、同じ方向へ伸びて戻れるか
膝が内側へ入る場合は、足の角度を少し狭くします。
その状態でもう一度プリエをして、膝、つま先、足裏の関係が崩れない場所を探します。
そこが、現時点で動きの中に使えるターンアウトです。
目指すべきなのは、開いて見える足ではない
バレエで必要なのは、つま先を大きく開いて見せることではありません。
股関節から作った脚の方向を、骨盤、膝、足首、足裏とつなげ、動きの中で維持することです。
足を開くことは、見た目の角度を作ること。
ターンアウトすることは、その角度を身体全体で支え、動作の中で使い続けること。
この二つの違いが分かると、レッスンで見るべき場所も変わります。
次のレッスンでは、鏡に映ったつま先の角度ではなく、プリエやタンデュをしたときに、膝とつま先の方向がそろっているかを確認してみてください。
大きく開くことよりも、正確に使えること。
それが、ターンアウトを身につけるための出発点です。




